Naked Lunch の感想

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参照データ

タイトルNaked Lunch
発売日販売日未定
製作者William S. Burroughs
販売元Grove Pr
JANコード9780802122070
カテゴリ » 洋書 » Special Features » all foreign books

購入者の感想

これぞ麻痺的美学。『裸のランチ』を読まれた方は内容理解に苦しまれたことだろう。それはごく自然、というかあたりまえなのです。むしろわかった気になっている人が多いのでは。バロウズのバイオグラフィ、生い立ちを把握していればまだしも、いきなりあの訳ではせいぜいアングラ世界のなんたるかと体制・反体制の構図くらいのもので、あとは半信半疑の代物だったりする。その前にほとんど中身覚えてないんではない?確かに鮎川&山形氏の訳にずれはほとんどない?とみえる。ぜひ原文に目を通してみてほしい。スラングの多用によるダブルミーニングやカレイドスコープのような言葉の色使いが実に掟破り。「ホセリト」だっただろうか、明らかに『ライ麦畑~』を意識して書かれている。というか、彼のユーモアや皮肉で書き換えられているといってもよいのかな。『裸のランチ』にはそうした一つ一つの言葉の訳的な限界があったのでは、と思ってしまう。彼の場合はとくに。あと一つ、カット・アップ自体がコラージュやモンタージュを指すのではなく、文の流れそのものにそういった手法が用いられていることに気づき、これも発見だった。いずれにせよ、たんなる反体制文学のイコンとは位置付けられない。バロウズこそ20世紀細大の作家である、と思う。ちなみに、カット・アップは訳より原文の方が全然意味が読み取れたりもする。。以上の理由から、『裸のランチ』では『ネイキッド・ランチの「文学的な良さ」がほとんど伝わらない、という残念なことに気づいた。

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Grove Prから発売されたWilliam S. BurroughsのNaked Lunch(JAN:9780802122070)の感想と評価
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