タクシー王子、東京を往く。―日本交通・三代目若社長「新人ドライバー日誌」 の感想

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参照データ

タイトルタクシー王子、東京を往く。―日本交通・三代目若社長「新人ドライバー日誌」
発売日販売日未定
製作者川鍋 一朗
販売元文藝春秋
JANコード9784163701806
カテゴリビジネス・経済 » 産業研究 » サービス・小売 » 一般

購入者の感想

これは他のタクシー関連の本の様に長い期間のリアリティの積み重ねではなく、マーケッティング戦略の一環のため本を出版するための目的で1か月の間だけ13乗務してみましたというの本。とても出来のいい広告を作ったなというのが感想。
内容的には自画自賛・我田引水な内容。大手タクシー会社の社長が自らタクシー乗務をした事が大そう特別な事のように書かれている。確かに名門大学を出てアメリカでMBAを取得し、帰国後は有名コンサル会社に入社したという煌びやかな経歴は世間の注目を集めるにはいい。だが実際にはそんな経歴はタクシー会社の経営には大した影響はない。事実、著者は過去に自ら子会社作り、僅かたったの四年で消滅させた汚点も持っている。そこで考え出したのがこの本であろう。実際には話題作りのためり無線のヤラセもあったとの噂も内部からちらほら。

しかしながら右も左も分からない新人ドライバーにとっては不安もあるが新しい発見の連続で、最初の数か月程度は楽しく楽しくてしょうがないもの。そんな新人ドライバーが誰でも通る時期の雰囲気はこの本からも伝わって来る。でもやはり本当の厳しさは最低でも半年は乗らないと分らないであろう。リーマンショック後の厳しい今こそ再度乗って、第二弾も発行してもらいたいと言いたいところだが、やはり社長業の軌道に乗った今では立場上現実的には不可能であろう事が残念である。

この本を読んだだけでタクシーの仕事について勘違しないで欲しい。彼の乗った時期はまだ今ほど景気が悪くなかった時期であり、誰でもがむしゃらに頑張ればそこそこの売上げは出来た時期。過剰供給で尚且つ利用者が減ってしまった今とはまったく状況が違う。ましてやタクシー会社の広告である。悪い事が書いてあるはずもない。
この業界の賃金体系は違法性のある完全な累進歩合制が当たり前。「足切り」と呼ばれる営業収入のノルマを課している会社が殆ど。足切りに達しなければ歩合給は発生しない。会社はドライバーが稼ごうが稼げなかろうが損をしないのである。

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