勝率ゼロへの挑戦 史上初の無罪はいかにして生まれたか の感想
参照データ
タイトル | 勝率ゼロへの挑戦 史上初の無罪はいかにして生まれたか |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 八田 隆 |
販売元 | 光文社 |
JANコード | 9784334977849 |
カテゴリ | 社会・政治 » 法律 » 暮らしの法律 » 法律入門 |
購入者の感想
検察と国税を相手に100%勝ち目のない闘いを挑んで、見事“奇跡の勝利”を手にした元外資系証券マンの物語である。マルサ(国税局査察部)が突然現れた日から裁判で無罪判決が出るまで、「正義は我にあり」という筆者のゆるぎない自信を背景に、査察官や検察官を論駁していくシーンは痛快で読み応えがある。
なにより素晴らしいのは、これが単なる裁判闘争物語で終わるのではなく、明日の刑事司法改革へ向けた提言の書にもなっている点だ。冤罪はけっして他人事ではなく、いつ何時、誰の身にも降りかかる可能性がある。著者の八田隆さん自身がそれを現実に体験し、身を持って知った問題点の解決の道を探ろうとする。そのためには国民一人ひとりが刑事司法リテラシーを高める必要があり、八田さんはそのための活動を始めるという。
そんな八田さんの、(ありきたりの言葉だが)カッコイイ生きざまも感じられる一冊だ。
なにより素晴らしいのは、これが単なる裁判闘争物語で終わるのではなく、明日の刑事司法改革へ向けた提言の書にもなっている点だ。冤罪はけっして他人事ではなく、いつ何時、誰の身にも降りかかる可能性がある。著者の八田隆さん自身がそれを現実に体験し、身を持って知った問題点の解決の道を探ろうとする。そのためには国民一人ひとりが刑事司法リテラシーを高める必要があり、八田さんはそのための活動を始めるという。
そんな八田さんの、(ありきたりの言葉だが)カッコイイ生きざまも感じられる一冊だ。
外資系証券マンとして世界レベルで業績をあげてきた著者が、突如国税当局と検察に狙いうちされ、しかし不屈の闘志と多くの支援者の助力を得て、見事裁判闘争に勝利する物語。
敢えて一口で言えば、「世界に通用する著者と、日本のごく狭いムラ社会でしか通用しない検察との闘い」ということになろうか。
とくに、著者と東京地検特捜部検事の取調室での攻防のくだりを読むと、いっそうこの思いを強くした。
著者が指摘する検察や刑事司法の問題は的確であり、その解決策もまた司法関係者にはなかなか思いつかないであろうものを含んでおり、世界を見てきた著者ならではのものだと感じた。
そして、実は読み応えがあるのは、著者がこれほどの壮烈な裁判闘争に勝利することができた背景として語られる、外資系証券マンとしての仕事ぶりや人間模様である。
優秀な弁護士や理解のある裁判官に恵まれたからの勝利とも言えそうだが、実は、やはり著者自身に「勝利する力」があったからだと納得がいく。
ページ数の都合からだろうか、この章がやや駆け足になっている感があるが、裁判闘争物語と外資系証券マンの世界の物語の二本立てとして読むことができるという意味では、これまでの冤罪関係の作品と一線を画していて、この本の価値を高めていると思う。
著者でない人が同じ事件に巻き込まれたとき、果たして勝利できたか、という疑問は起きるが、おそらく著者自身も全てを理解しているからこそ、独自の冤罪防止策を提案し、さらには「捨て石」となってまで実践しようとしているのだろう。
勝利したとはいえ失ったものが多かったかもしれないし、そもそも著者は不本意だったかもしれないが、日本の刑事司法の未来を切り開く人、それも世界に通用する知力と胆力のある人が彗星のごとくに表れたことは、喜ばしいことである。
司法関係者でなもなく、ジャーナリストでもない著者によるものであるからこそ、ひろく読まれてほしい本だと思う。0
敢えて一口で言えば、「世界に通用する著者と、日本のごく狭いムラ社会でしか通用しない検察との闘い」ということになろうか。
とくに、著者と東京地検特捜部検事の取調室での攻防のくだりを読むと、いっそうこの思いを強くした。
著者が指摘する検察や刑事司法の問題は的確であり、その解決策もまた司法関係者にはなかなか思いつかないであろうものを含んでおり、世界を見てきた著者ならではのものだと感じた。
そして、実は読み応えがあるのは、著者がこれほどの壮烈な裁判闘争に勝利することができた背景として語られる、外資系証券マンとしての仕事ぶりや人間模様である。
優秀な弁護士や理解のある裁判官に恵まれたからの勝利とも言えそうだが、実は、やはり著者自身に「勝利する力」があったからだと納得がいく。
ページ数の都合からだろうか、この章がやや駆け足になっている感があるが、裁判闘争物語と外資系証券マンの世界の物語の二本立てとして読むことができるという意味では、これまでの冤罪関係の作品と一線を画していて、この本の価値を高めていると思う。
著者でない人が同じ事件に巻き込まれたとき、果たして勝利できたか、という疑問は起きるが、おそらく著者自身も全てを理解しているからこそ、独自の冤罪防止策を提案し、さらには「捨て石」となってまで実践しようとしているのだろう。
勝利したとはいえ失ったものが多かったかもしれないし、そもそも著者は不本意だったかもしれないが、日本の刑事司法の未来を切り開く人、それも世界に通用する知力と胆力のある人が彗星のごとくに表れたことは、喜ばしいことである。
司法関係者でなもなく、ジャーナリストでもない著者によるものであるからこそ、ひろく読まれてほしい本だと思う。0