Still a punk―ジョン・ライドン自伝 の感想
参照データ
タイトル | Still a punk―ジョン・ライドン自伝 |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | ジョン・ライドン |
販売元 | ロッキング・オン |
JANコード | 9784947599285 |
カテゴリ | ジャンル別 » ノンフィクション » アート・エンターテイメント » 海外のロック・ポップス |
購入者の感想
一アーティストの自伝という枠を超えている。
前半、70年代イギリスにおける貧乏や差別とはどういうものか、日本人ではピンとこない状況がリアルに語られる。スキャンダラスなパンクバンド、セックス・ピストルズの真実だけを知りたい読者にはいささか退屈かもしれないが、彼らのバックグラウンドにも関心を持つ人にはこれほど興味深い内容もないだろう。
原題を見た時、人種差別撤廃を訴える内容だろうと勘ぐったが、そのありきたりな推測はあっさり裏切られる。ジョニー・ロットンはもっと深い。差別される側の問題点も照らし出す冷徹な観察眼と分析力。自己肯定に陥らない徹底したフェアな精神。30年以上も昔、20になるかならないかの若者が必死に働き、金を稼ぎ、生活をしながら、これほど深く物事を考えていたという事実に胸を打たれる。
たぶん今でもまだ時代は彼の思想に追いついていない。ジョニー・ロットンは今でもきちんと理解されていない。本書を読むとそのことに気づく。革新的過ぎるゆえに理解されないのは宿命かもしれないが、彼の思想はきっと世の中を幸せにするだろう。時代が追いつくまでは読まれ続ける価値のある一冊だと思う。
前半、70年代イギリスにおける貧乏や差別とはどういうものか、日本人ではピンとこない状況がリアルに語られる。スキャンダラスなパンクバンド、セックス・ピストルズの真実だけを知りたい読者にはいささか退屈かもしれないが、彼らのバックグラウンドにも関心を持つ人にはこれほど興味深い内容もないだろう。
原題を見た時、人種差別撤廃を訴える内容だろうと勘ぐったが、そのありきたりな推測はあっさり裏切られる。ジョニー・ロットンはもっと深い。差別される側の問題点も照らし出す冷徹な観察眼と分析力。自己肯定に陥らない徹底したフェアな精神。30年以上も昔、20になるかならないかの若者が必死に働き、金を稼ぎ、生活をしながら、これほど深く物事を考えていたという事実に胸を打たれる。
たぶん今でもまだ時代は彼の思想に追いついていない。ジョニー・ロットンは今でもきちんと理解されていない。本書を読むとそのことに気づく。革新的過ぎるゆえに理解されないのは宿命かもしれないが、彼の思想はきっと世の中を幸せにするだろう。時代が追いつくまでは読まれ続ける価値のある一冊だと思う。