真実―新聞が警察に跪いた日 の感想

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参照データ

タイトル真実―新聞が警察に跪いた日
発売日販売日未定
製作者高田 昌幸
販売元柏書房
JANコード9784760141142
カテゴリジャンル別 » 社会・政治 » マスメディア » メディアと社会

購入者の感想

昨年(平成23年)の6月に25年間勤め上げた北海道新聞社を辞める
こととなった著者高田昌幸氏の、道警裏金問題報道に端を発した道警と
北海道新聞社の対立、北海道新聞社がその道警の前に膝を屈するに至る
経緯などを詳細な記録とともに記した総括の書であり、非常に良質なノ
ンフィクションに仕上がっている。

道新は平成15年11月に放送された報道番組「ザ・スクープスペシャ
ル」での旭川中央署での「裏金づくりの実態」をきっかけとして、著者
である高田デスク以下、道警裏金問題取材チームの記者たちは、以降1
年以上にも及ぶ道警裏金問題を追及することとなる。

「道警の組織的な裏金づくりを公式に認めさせる」ということを最終目
標に始まった追及キャンペーンは、最終的に1400本を越える記事と
なり、その間、元道警釧路方面本部長であった原田宏二氏が実名で告発、
さらには、「道警幹部を逮捕せよ」、「追及・北海道警「裏金」疑惑」
という二冊の書籍を刊行するに至った。

追い込まれた道警は平成16年11月、遂に「組織的な裏金づくり」を
認めることとなる。

道警裏金問題追及の一連の報道は新聞協会賞、JCJ賞、菊池寛賞を受
賞し、北海道民には「調査報道の道新」を強く印象付けた。

そんな喜びも束の間、道警の北海道新聞社に対する反撃は始まっていた
のである・・・。

そこからの北海道新聞社が道警に屈していく様は、道新VS道警に止ま
らず、報道機関が権力に対峙することの難しさや、報道機関の会社組織
としてのあり方といったものをあらためて考えさせられることになる。

この本に記されたような権力サイドの有形無形の圧力が、日本の報道機
関全般に与えているであろう影響は、本来、権力をチェックする使命を
担っているはずの報道機関が、それを忘れたかのように権力に寄り添っ
た「発表報道」に紙面の多くを割く現状を見れば、少なくないのだろう
と理解できる。

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