Awakenings の感想

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参照データ

タイトルAwakenings
発売日1999-10-05
製作者Oliver Sacks
販売元Vintage
JANコード9780375704055
カテゴリ » 洋書 » By Publisher » Random House

購入者の感想

脳の働きに興味があって、いろいろ彷徨っているときに手に取った。

惹句は「30年ぶりに目覚めた人は何をみたのか」である。

1930年代に嗜眠性脳炎という恐ろしい病気がアメリカで流行した。妙薬もないまま、流行は数年で収束したが、その後何十年も眠り続ける患者が多数残った。60年代後半に開発された新薬は、患者をこの長年の眠りから覚醒させたが、そのときに起こったいわば悲惨な出来事を本書は述べている。

小説でもドキュメンタリでもない。いってみれば、オリバーサックスが30台前半のまだ若い精神科医だった頃、画期的な新薬を自分の患者に投与したときの症例報告である。であるから、一般向けの書物とは到底いいがたい。総じて退屈である。しかし医者としての切実感はあって、それがこの700ページ近い大部を最後まで読ませる力となっている。

本書には20名の症例があって、映画になったレナードは、その患者たちの一人である。レナードは結局、薬が身体に合わなくて「目ざめて」かえって辛い思いをした。Lドーパという薬はしかし、いまもパーキンソン病の治療に使われているようだ。本書は感傷的な期待をこめて読むと肩透かし。その向こうにある何かを知りたいという向きにはお勧めできる。

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