Complete Village.. [Analog] の感想

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「WALTZ FOR DEBBY」「LIVE AT THE VILLAGE VANGUARD」…。ジャズのレコードコレクターなら、常に欲しいと思っている名演、名盤。だが、某大手オークションサイトでは、オリジナルのモノ美盤はだいたい50,000円以上、ステレオでも30,000円は下らない。半端に安いものを落札すれば、美しいピアノを聴きたいにも関わらずプチプチと煩わしいノイズに悩まされることになる。
リバーサイドはオリジナルの鑑別も難しいし。一方、最近のアナログ・リイシュー盤はアナログ・プロダクション盤以外は全然ダメだし…。やはりCDで聴くのが一番か、と思っていたが、本盤が発売された。
私は、このライブの演奏について、元から思っていたのだが、オリジナルの曲順で聴くより、本盤のように、録音の順番で聴く方が多い。密度の濃い名演にも関わらず、その方がゆったり集中して聴ける。だから、この盤のK2マスタリング盤を愛聴していた。こういう私にとって、本盤の発売は非常に嬉しかった。
箱の作りは重厚、録音のメモの再現、フィルムの再現、内袋…。加えて盤は重量盤。音は当然非常に良い。リイシュー盤には音の乱れたものもあるが、本盤については皆無。マスターの質の違いが明らかである。
特に今回、ドラムのスネアの響きの立体感、ベースの芯を喰った太さに驚いた。下手な盤だと割れがちなピアノの音もクリア。最高です。
なお、本録音はもともと良質なステレオなので、モノラルに固執するのは、その意味でも価値が薄いと思っている。ピアノを右に、ベースを左に配して、両者の掛け合いをクリアーに楽しめる。ドラムについては、スネアとハイハットが左に来ているので、モチアンは左利きなのだろうか、と思ってしまうのだが…。
蛇足ですが、私の購入した盤は１枚目のA面の音合わせ部分に擦り傷が入っていてちょっと困りました。輸入盤と言うのは、どうしてもそういうことがある、という見本なのですが、そういうところを絶対に容赦できない人は、CDで我慢して下さい。