かわいそうだね? (文春文庫) の感想
参照データ
タイトル | かわいそうだね? (文春文庫) |
発売日 | 2013-12-04 |
製作者 | 綿矢 りさ |
販売元 | 文藝春秋 |
JANコード | 9784167840020 |
カテゴリ | 文学・評論 » 文芸作品 » 日本文学 » や・ら・わ行の著者 |
購入者の感想
綿矢りさは、芥川賞をとった直後ぽつぽつと訳のわからない恋愛小説を遺し死んだかと思っていた。しかし、本作の『亜美ちゃんは美人』で彼女が地獄から這い上って来た。綿矢りさは健在でした!
斬新な視点。三人称ながらあくまでも語り部は坂木ちゃんで、冷静に自分を客観視して「さかきちゃん」と自らをキャラクター化して物語に登場させている。「さかきちゃん」がわざわざひらがなである訳はここにあるだろう。さかきちゃんの一人称視点ではこの小説は成功しなかったと思う。一歩だけ遠くから、亜美ちゃんと自分(さかきちゃん)を語ることで、この小説の均衡は微妙に保たれているという印象を受ける。
よくあるテーマでありふれている人物像と批判されるかもしれないが、それでもその「よくいる現代女子」を描かせれば綿矢りさの右に出るものはいないなぁ、と唸ってしまう佳作。
斬新な視点。三人称ながらあくまでも語り部は坂木ちゃんで、冷静に自分を客観視して「さかきちゃん」と自らをキャラクター化して物語に登場させている。「さかきちゃん」がわざわざひらがなである訳はここにあるだろう。さかきちゃんの一人称視点ではこの小説は成功しなかったと思う。一歩だけ遠くから、亜美ちゃんと自分(さかきちゃん)を語ることで、この小説の均衡は微妙に保たれているという印象を受ける。
よくあるテーマでありふれている人物像と批判されるかもしれないが、それでもその「よくいる現代女子」を描かせれば綿矢りさの右に出るものはいないなぁ、と唸ってしまう佳作。