続・笑いと治癒力―生への意欲 (岩波現代文庫) の感想

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参照データ

タイトル続・笑いと治癒力―生への意欲 (岩波現代文庫)
発売日販売日未定
製作者ノーマン カズンズ
販売元岩波書店
JANコード9784006031046
カテゴリジャンル別 » ノンフィクション » 科学 » 医学

購入者の感想

 前作「笑いと治癒力」で著者は膠原病を克服し、「患者の積極的な情緒が治療に役立つ」ことを身を持って示した体験を綴りました。しかし、今度は心臓病の発作で入院、危険状態におちいります。突然おそった死の不安を抑えることから始め、前作と同じく、「自分自身の治癒力を高め、医師に相談、協力して快適な解決方法を探す」という方針で、病気に立ち向かいます。その経過をレポートしたのが本書です。
 「医師と患者の間のいい関係は、それ自体が一種の勝利であること」「明白なのは、笑いが不安やパニックの対極だということだ。だからこそ、笑いの価値は、焔を消し止める消火器にまさるとも劣らないのだ。」「死は敵ではない。不断の死の恐怖のうちに生きることが敵なのだ。わたしは致命的な病変が起こるかもしれないからといって、脱脂綿にくるまって暮らすつもりはない。」こうやって言葉の幾つかを切り出してくるだけでも彼の信条がよく伝わってきます。本人の積極的な意志、周囲の応援、そして医師とのよい関係が必要なこと。具体的な症状や治療法、経過がジャーナリストの明快な文章で書かれているので、同じ病気の方の参考にもなることも多いでしょう。
 本書の後半は病気克服のレポートから少し離れ、ジャーナリストから医学部の教授に転向した理由など著者の医療への考え方を知ることができる文章が載っています。闘病中に体験した医師との交流から、「医師とはどのようなことを患者に期待されているか」を考え、文学の中に描写される医師像に注目したり、機械化や消費者運動の影響が強くなった現代医療で医療がどのように変わったか、社会は、国家は、と視点は広がっていきます。往診をする医者が減ったこと、病院も「患者はお客様」と考え出すようになってきていることなど、現在の日本でも起こっている変化のきざしが既にここには書かれています。

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