トゥー・ボーンズ の感想

それにしても、この音源がリアルタイムでボツだったとは勿体無い事をしたなと思う。
同趣向で製作された正規品「ボーン&バリ」よりも丁寧に演奏されたコチラを贔屓したくなる。
ま、同一楽器の"2トップ効果"がメリハリに欠ける印象なのがマイナス(ボツ)に働いたのかも知れない。

ぶっちゃけ、カーティス・フラーとスライド・ハンプトンのソロを連続で聴かされても、違いはサッパリ分らない。
「トロンボーンの専門家ではない」と割り切って気楽に鑑賞するのが一番だ。
この楽器が大好きな人間にとっては普段の2倍のソロが聴けるのだから、こんなお得感は無いｗ

内容に関しては、比較的アンサンブルに重きを置いたアレンジが施されているので、
モクモクと灰色の煙が立ち込めるかのようなボーンの重厚で暖かみのあるサウンドが楽しめる。

スモーキーなトロンボーンの合間を縫ってソニー・クラークのピアノトリオが、
ピチピチと明るく飛び跳ねてファンキーな刺激を与えてくれるのも嬉しい。

■ Curtis Fuller / Slide Hampton (tb) Sonny Clark (p) George Tucker (b) Charlie Persip (dr)
Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, NJ, January 22, 1958