源氏そして新古今 (丸谷才一批評集) の感想

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タイトル源氏そして新古今 (丸谷才一批評集)
発売日販売日未定
製作者丸谷 才一
販売元文藝春秋
JANコード9784165041306
カテゴリ古典 » 日本の古典 » 古代・中世文学 » 古典文学研究

購入者の感想

上流社会における魅力 癖 偶然が開ける夢の扉と突き進んでしまう人間 必然である心や人生の重い流露について
古今東西が現実的だと認める造形力に紫式部は恵まれていた
本書は対談により進められ 原文におけるニュアンスを詳細に語り合い
紫式部は無意識の発現や映画的描写においてヨーロッパに先じていたと指摘する
人物評は男目線 作中人物それぞれに男は嫌だと言ったり女はいいと言ったり
女は嫌だと言ったり男はいいと言ったり
同性だとこんな人いる訳ないと白けても異性だといたらいいと真実に引き上げようとする
紫式部は賛否両論に現れる男らしさ 女らしさも わかっていたのだろうか
男も女も夢見たり幻滅したりする こうした揺らぎのなかに
本当の自分 傷 歴史は繰り返す 永遠の魂の予感があるのだ
紫式部は人間と夢の普遍的なあり方を型破りで劇的な情熱 控えめで物静かな賢明 
カリスマと自分探しという不可抗力として 決して無常観だけでなく 欲望の亡者では終わらせない
理想の追求にかけ回る男たち 仏になろうとする女たち 自分に正直な女たちが
こうした揺らぎであるドラマのなかで 豊かになるための代償 絶頂 自分の分際
貴族文化を発展させた激しさの生身の肉体として千年後も生きる
十代前半のわたしは あさきゆめみしを読みながら 過去はのりこえられるのか
自分たちは源氏物語の作中人物より幸せになれるのか考えた

男女平等 女も活発でいい もっと自己主張してもいい 男のように生きてもいい
権威のあら探しをしてもいいという風潮のなかで育った
そしてモンスターマザー 思考の浅い破壊 無理難題づくめの自己顕示欲
自己批判力を欠いたままの自分らしさが普遍性になると思い込む
野心家を よく見かけるようになった

紫式部は父親が十年くらい失業していて 多分 子供のときから
一説には内親王邸で働いたというが破滅型の女は書かなかった

苦労すると美や真理に救済されたくなる思いは いつの時代にもあるのだ

自然 人事 遊興 悩殺

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