トルコのもう一つの顔 (中公新書) の感想
参照データ
タイトル | トルコのもう一つの顔 (中公新書) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 小島 剛一 |
販売元 | 中央公論社 |
JANコード | 9784121010094 |
カテゴリ | 本 » ジャンル別 » 社会・政治 » 政治 |
購入者の感想
本書はフランス在住でトルコの少数民族が話している言語を研究している日本人の手記ですが、一貫して本人の体験談をもとに記述されているため非常に生々しい本です。題名にもあるように、イスタンブールやトロイ、カッパドキアなどとは違う、一般の人の目にはまず入ることのないトルコの側面を紹介しています。日本には方言こそあるものの基本的に日本語を皆が話していますし、方言は個性的なものとしてむしろ近年は良いものという風潮が大きくなっている気がします。一方本書が描かれた1980年代のトルコでは言語、方言というものが政治に密接に関係し、自身の話す言語次第では逮捕されることがある、という事実は衝撃的でした。民族、言語、宗教という言葉はもちろん知っていますし、意味もわかっている気がしていたのですが、本書を読んで改めて「民族」とは何か「言語」とは何か、「宗教」とは何か、がつくづくわかっていない自分に気がつきました。現在のトルコではどうなっているのかわかりませんが、本書トルコ理解を促進するためには必須の本と思います。