なぜ古典を読むのか (河出文庫) の感想
参照データ
タイトル | なぜ古典を読むのか (河出文庫) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | イタロ・カルヴィーノ |
販売元 | 河出書房新社 |
JANコード | 9784309463728 |
カテゴリ | ジャンル別 » 文学・評論 » 評論・文学研究 » 日本文学研究 |
購入者の感想
分類分けすると評論集ということになるのでしょうが、本のまえがきや解説といったものが多く、(概ねですが)読みやすい著作と思います。私が理解できてるかどうかは別として。
本書で取り上げられている作家・作品で読んだことのあるものはボルヘスだけだったので、そこに書いてあることについてどうのこうのは私には言えません。言えませんが、取り上げられている作品を読みたくなるのです。小難しいこともいっぱい書いてあるのですが、カルヴィーノの作品への愛着が伝わってくるんですね。愛着、という言葉を使いましたが、作品そのものの力、作品に魅かれた時の状況、作品から触発された事柄、作品から呼び起こされた/作品が呼び起こした別の作品・・・が混ざり合って愛着が沸くんだと、本書を読んで感じました。そして、その愛着を感じさせる作品が「古典」と呼ばれるものなんだろうな、と。
本書を読んでいて不思議な感じがしました。「古典」についてカルヴィーノが語っているのですが、自身の著作解題に思えてきたのです。神話、科学、倫理、創造、論理、自然、批評、構造などなど、作品誕生秘話が書いてあるような。自身の血となり肉となる、それが「古典」というものなのでしょうか。
カルヴィーノの「古典」論ということだけでも読む価値はあると思いますが、本書はそれにプラスして訳者・須賀敦子さんの解説、池澤夏樹さんの文庫版解説が合わさって、「なぜ古典を読むのか」という本になっています。“本読み”にはいろいろと気付きのある、はっとさせられる、良い本と思います。
本書で取り上げられている作家・作品で読んだことのあるものはボルヘスだけだったので、そこに書いてあることについてどうのこうのは私には言えません。言えませんが、取り上げられている作品を読みたくなるのです。小難しいこともいっぱい書いてあるのですが、カルヴィーノの作品への愛着が伝わってくるんですね。愛着、という言葉を使いましたが、作品そのものの力、作品に魅かれた時の状況、作品から触発された事柄、作品から呼び起こされた/作品が呼び起こした別の作品・・・が混ざり合って愛着が沸くんだと、本書を読んで感じました。そして、その愛着を感じさせる作品が「古典」と呼ばれるものなんだろうな、と。
本書を読んでいて不思議な感じがしました。「古典」についてカルヴィーノが語っているのですが、自身の著作解題に思えてきたのです。神話、科学、倫理、創造、論理、自然、批評、構造などなど、作品誕生秘話が書いてあるような。自身の血となり肉となる、それが「古典」というものなのでしょうか。
カルヴィーノの「古典」論ということだけでも読む価値はあると思いますが、本書はそれにプラスして訳者・須賀敦子さんの解説、池澤夏樹さんの文庫版解説が合わさって、「なぜ古典を読むのか」という本になっています。“本読み”にはいろいろと気付きのある、はっとさせられる、良い本と思います。