なぜ君は絶望と闘えたのか―本村洋の3300日 (新潮文庫 か 41-2) の感想

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タイトルなぜ君は絶望と闘えたのか―本村洋の3300日 (新潮文庫 か 41-2)
発売日販売日未定
製作者門田 隆将
販売元新潮社
JANコード9784101231426
カテゴリ社会・政治 » 法律 » 暮らしの法律 » 法律入門

購入者の感想

本書は内容が内容だけに涙は覚悟していたが、それでも涙腺は緩みっぱなしだった。

本村洋を最初にテレビで見たのは2000年の早春で、第一審の判決が無期懲役と出た夜、「ニュース・ステーション」に生出演し、「犯人が社会へ出たら、私の手で殺す」と言った。この言葉は衝撃的だった。

事件の概要を以下に記す。

1999年4月14日、遅い残業を終えて新日鐵の社宅アパートに帰った本村は、玄関のドアが施錠されていないし、内部(なか)に入っても電灯が点いていない事に不安を感じる。

しかも、リビング全体に妙な異様さがあった。妻の弥生(当時23歳)と一人娘の夕夏(11ヶ月)もいない。ここで本村は妻の実家に電話をする。受話器の子機を持ち、義母と話をするが、勿論、妻の動向は知らないという。

押入れを開けた時、そこに変わり果てた妻の死体を発見する――。

犯人は数日を待たずに逮捕されるのだが、犯行時18歳だった為、少年法という厚い壁に阻まれる。

第一回公判で、事件の詳細が初めて検事より朗読される。水道の排出検査という名目で部屋に入った犯人は、弥生を強姦しようと思うが、強い抵抗に遭って絞殺する。これで静かになったので衣服を剥ぎ取り、汚物を拭いて死姦までする。

母親の異常に気が付いたのか、腹ばいの状態で夕夏は泣きながら母親の側に行こうとする。

その声に動転した犯人は夕夏を頭から投げ捨てる。一瞬泣き止んだが、なおも母親の側に行こうとするので、首を絞めるが、あまりに細いので手に余ってしまい、持っていた紐で夕夏も殺してしまう。

この条(くだり)を読んでいると、自然に涙が出てくる。腹立たしくて悔しすぎる。夕夏はどういう思いで母親に近づこうとしたのか。ただ本能のまま、行ったとしても悲しすぎる。

ほぼ9年の闘いの結果、本村は死刑の判決を勝ち取る。

本書の筆者は最終章で刑務所にいる犯人と会う。犯人は静かに云った。私は弥生さんと夕夏ちゃんの2人を殺しただけでなく、家族、肉親ら2人に連なる全ての人の人生を殺したのだと。

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