地震は必ず予測できる! (集英社新書) の感想
参照データ
タイトル | 地震は必ず予測できる! (集英社新書) |
発売日 | 2015-01-16 |
製作者 | 村井 俊治 |
販売元 | 集英社 |
JANコード | 9784087207729 |
カテゴリ | ジャンル別 » 社会・政治 » 社会学 » 災害 |
購入者の感想
残念ながら、科学的に説得力のある内容が、ほとんど見出せません。GPSや地震学についての極めて低レベルな間違いも多いです。「地震をことごとく予測」というのも酷い誇張です。おすすめできません。
著者の村井俊治氏は、地震の前には数センチ規模に及ぶ前兆地殻変動があり、それが電子基準点(GPS)データの異常値をみれば発見できるとして、有料メルマガで地震予測を行っているのだそうです。
ですが、この著者は、電子基準点データにノイズによる異常値が数センチ規模で日常的に出るという事実を、全く理解していないようです。電子基準点(GPS)の測定値は、たしかに理想的な条件では誤差が数ミリなのですが、さまざまな条件(電離層の状態、気象条件、水蒸気量、積雪、周辺樹木による反射など)が影響し、日常的に正確な値から数センチは変動してしまうことが知られています。その単なるノイズを、この著者は地殻変動による値だと誤解し信じ切って、それを地震予測の根拠にしているのです。バカバカしすぎてお話になりません。
本書には「GPSとは、位置情報を衛星に送信して測定するシステムである」という間違った記述が何ケ所も書かれており(13ページ、23ページ等)、著者の村井氏がGPSの基本すら理解していないことは明らかです。また実際、電子基準点に異常があったと主張されている日を気象庁のデータベースで調べてみると、豪雪や台風の日にピッタリ合うので、やはり地殻変動ではなく単にノイズをみているようです。このようなノイズによる異常値については、電子基準点データの提供元である国土地理院のサイトでも明確に記載されています。
そもそも、この著者の主張どおりなら、ある町でだけ、短ければたった1日で10センチ近くも地面が隆起沈降し、次の日には元の高さに戻り、それに誰も気づいていない、ということになります。そんなことはありえませんし、もしそれが本当なら、むしろそっちの方が大発見です。たとえば2014年の白馬村での地震は、震度6弱もの強震と地割れをともなう強烈なものでしたが、それでやっと10センチほど地面が沈降したことが分かっています。
著者の村井俊治氏は、地震の前には数センチ規模に及ぶ前兆地殻変動があり、それが電子基準点(GPS)データの異常値をみれば発見できるとして、有料メルマガで地震予測を行っているのだそうです。
ですが、この著者は、電子基準点データにノイズによる異常値が数センチ規模で日常的に出るという事実を、全く理解していないようです。電子基準点(GPS)の測定値は、たしかに理想的な条件では誤差が数ミリなのですが、さまざまな条件(電離層の状態、気象条件、水蒸気量、積雪、周辺樹木による反射など)が影響し、日常的に正確な値から数センチは変動してしまうことが知られています。その単なるノイズを、この著者は地殻変動による値だと誤解し信じ切って、それを地震予測の根拠にしているのです。バカバカしすぎてお話になりません。
本書には「GPSとは、位置情報を衛星に送信して測定するシステムである」という間違った記述が何ケ所も書かれており(13ページ、23ページ等)、著者の村井氏がGPSの基本すら理解していないことは明らかです。また実際、電子基準点に異常があったと主張されている日を気象庁のデータベースで調べてみると、豪雪や台風の日にピッタリ合うので、やはり地殻変動ではなく単にノイズをみているようです。このようなノイズによる異常値については、電子基準点データの提供元である国土地理院のサイトでも明確に記載されています。
そもそも、この著者の主張どおりなら、ある町でだけ、短ければたった1日で10センチ近くも地面が隆起沈降し、次の日には元の高さに戻り、それに誰も気づいていない、ということになります。そんなことはありえませんし、もしそれが本当なら、むしろそっちの方が大発見です。たとえば2014年の白馬村での地震は、震度6弱もの強震と地割れをともなう強烈なものでしたが、それでやっと10センチほど地面が沈降したことが分かっています。