ひとりで生きるということ 角川SSC新書 の感想

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参照データ

タイトルひとりで生きるということ 角川SSC新書
発売日販売日未定
製作者アルボムッレ・スマナサーラ
販売元角川マガジンズ(角川グループパブリッシング)
JANコード9784047315945
カテゴリ人文・思想 » 哲学・思想 » 東洋思想 » 東洋哲学入門

購入者の感想

なぜ、著者がタイトルに、「ひとりで生きるということ」と名付けたのか、本書を読みながら、じっくりと考えてみました。
私たち人間は、自分の利益のために、さまざまな組織や共同体をつくりますが、いざ、自分に利益がなくなるとみるや、組織や共同体は、崩壊の道へと辿ることになるのだそうです。
結局、人間は、皆、エゴイストだからです。
著者も、「本能に従って単独行動したがるのは危険です。凡人は依存しなくては生きられないので、単独行動は成り立ちません。」と結論付けています。

仏教では、煩悩の中でも、とりわけ強力なものとして、貪欲、瞋恚、愚痴の三つを三毒と名付けています。平たくいえば、「貪欲」とは、欲望であり、「瞋恚」とは、怒りであり、「愚痴」とは、真理を知らない愚かさ(=無智・無明)のことです。
本書でも、著者曰く、このような汚れた感情を「悪魔」と見なしておりました。
人間は、このような悪魔のような感情に操られて、自由に生きたいと思いますが、所詮、「無常」である、と著者は一蹴しています。
結局、煩悩がもたらすのは、束の間の快楽に過ぎず、一時の感情にいちいち左右される愚かさを、著者は訴えていたのではないかと、私は受け取りました。

仏教用語の中で、もう一つ、「慈悲喜捨」の心について、本書で触れておりました。
本文の解説には、「怒り、欲から離れる、他の生命への優しさを育む思考」とありました。
「慈悲」は、文字通り、慈しみ憐れむ心をもつことだと思います。
また、「喜捨」は、お布施をすること、つまりは、喜んで捨てること、とでも解釈できるのではないでしょうか?!
すべては、自分のものである!という執着を取っ払って、手放す!!
それこそが、著者の言う、怒り、欲から離れる思考、ひいては、エゴから解放されて、お釈迦様の仰る、「解脱」を目指すことにつながるのではないかと、私はしみじみと感じさせらました。

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