刑事事実認定重要判決50選〔第2版〕(下) の感想

下巻は、刑法各論事件と訴訟法事件が主である。

本書は、刑事の事実認定に関する重要事件が網羅されている。
プロの裁判官が、どうやって詐欺事件等で事実認定をするのか、
その勘所が分かるのがまさに本書である。
この本は、受験生が読めば、司法試験のあの難解極まる問題の読み取りが、
「え、こんな簡単だっけ」となるはずある。実際、私もかつてそうだった。
また、修習生は、本書は必須である。特に、刑事裁判修習では、
必ず所属する部の裁判官に本書を勧められる。裁判官室には、必ず
本書が置いてある。常に傍らに置いている裁判官も実際にいる。

本書は、法曹になろうと考える人たちは、いつか必ず関わるものなので、
特に修習を控える人たちには、絶対おすすめである。
実務に出て、刑事裁判をやるときも、本書を読みこんだ力が多いに活きていることが
分かる時が必ず来ると思う。他にも事実認定の本はあるが、
結局押さえるべきは一番権威のある本書で、いずれにせよやはり本書は不可欠であると思う。