The Russia House の感想
参照データ
タイトル | The Russia House |
発売日 | 1997-06-24 |
製作者 | John Le Carre |
販売元 | Random House Audio |
JANコード | 9780679460220 |
カテゴリ | » 洋書 » By Publisher » Random House |
購入者の感想
この作品も2度目の読書となる。ルカレの作品は奥が深くて、2度読むことでその深さがよくかみ締めることが出来る。
この作品では、グラスノチ時代のロシアで、一人のロシア女性を通じて、ロシアの科学者からの情報が英国にもたらされると言う
ことでストーリーが始まる。その情報の受け手が英国人編集者のスコット・ブレア。酒飲みで、何度か離婚を繰り返している。
憎めない男だが、信頼性には欠ける。ルカレの作品では、何人かこのスコットに似た人物が登場する。このスコットをロシアに送り
こむことで、情報の確度を確かめたいアメリカ。英国のロシア・ハウスチーフのネッド(彼はルカレの作品では何度か登場する)が
いい味を出している。このもたらされた情報ではロシアの兵器は全てがらくたであるということになり、これは、特に今まで
軍拡路線で進んできた米国には必ずしもいい情報ではない。そして、結末は?だが、この作品の結末は極めて示唆的
ではあるが、はっきりとしない。ロシアの情報をもたらした科学者が殺されたと知ったスコットは、これから1年失踪する。
だが、彼は失踪前に唯一信頼できる情報局のネッドに手紙を送っている。ネッドはその後、解任され、どのような手紙を
貰ったのか謎のままだ。そして、1年後ポルトガルに現れるスコット。彼が示唆するのは、彼が愛したロシア人女性カーチャと
その家族がやがて、ポルトガルの港に元気な姿で現れるということのみ。そして、ここで作品は終わるのだ。彼は、情報と
引き換えにカーチャたちの自由を得たのだろう。だがどうやって?ネッドが知っているのだろう。これはスパイ小説をベースに
した、恋愛小説なのだ。純愛小説なのだ。ルカレの作品は全て恋愛小説だと言っても過言ではあるまい。50の半ばを
過ぎた男のプラトニックな愛なのだ。なんとも深く、また、素晴らしい作品だ。
この作品では、グラスノチ時代のロシアで、一人のロシア女性を通じて、ロシアの科学者からの情報が英国にもたらされると言う
ことでストーリーが始まる。その情報の受け手が英国人編集者のスコット・ブレア。酒飲みで、何度か離婚を繰り返している。
憎めない男だが、信頼性には欠ける。ルカレの作品では、何人かこのスコットに似た人物が登場する。このスコットをロシアに送り
こむことで、情報の確度を確かめたいアメリカ。英国のロシア・ハウスチーフのネッド(彼はルカレの作品では何度か登場する)が
いい味を出している。このもたらされた情報ではロシアの兵器は全てがらくたであるということになり、これは、特に今まで
軍拡路線で進んできた米国には必ずしもいい情報ではない。そして、結末は?だが、この作品の結末は極めて示唆的
ではあるが、はっきりとしない。ロシアの情報をもたらした科学者が殺されたと知ったスコットは、これから1年失踪する。
だが、彼は失踪前に唯一信頼できる情報局のネッドに手紙を送っている。ネッドはその後、解任され、どのような手紙を
貰ったのか謎のままだ。そして、1年後ポルトガルに現れるスコット。彼が示唆するのは、彼が愛したロシア人女性カーチャと
その家族がやがて、ポルトガルの港に元気な姿で現れるということのみ。そして、ここで作品は終わるのだ。彼は、情報と
引き換えにカーチャたちの自由を得たのだろう。だがどうやって?ネッドが知っているのだろう。これはスパイ小説をベースに
した、恋愛小説なのだ。純愛小説なのだ。ルカレの作品は全て恋愛小説だと言っても過言ではあるまい。50の半ばを
過ぎた男のプラトニックな愛なのだ。なんとも深く、また、素晴らしい作品だ。