お気に召すまま−シェイクスピア全集 15 (ちくま文庫) の感想
参照データ
タイトル | お気に召すまま−シェイクスピア全集 15 (ちくま文庫) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | W. シェイクスピア |
販売元 | 筑摩書房 |
JANコード | 9784480033154 |
カテゴリ | ジャンル別 » 文学・評論 » 戯曲・シナリオ » イギリス・アメリカ |
購入者の感想
少女が羊飼いの少年に化ける、楽しく美しい物語。張りと奥行きのある台詞は、『十二夜』に次ぐ名作だと思う。松岡氏の新訳は、楽しくて切れがよい。男装したロザリンドの、可愛くって、女らしさほとばしる台詞を旧訳と比較しよう(第3幕2場)。「まァ、私の顔色が! あなたは、私が男のなりをしてゐる以上、心の中までズボン仕立てになってゐると思って? もう一寸とぐずついていらっしゃると、南洋発見航海以上の大事件よ」(坪内逍遥)。「私はかわいそうにこれでも女よ! 男の上着と長靴下を身につけているからといって心の中まで男になり切っているなどと思わないで! これ以上ちょっとでもじらすと、南洋の海みたいにヒステリーの嵐をよぶわよ」(小田島雄志)。「いやだ、私、赤くなってる。こんな男の格好してるからって心までズボンはいてると思うの? あとちょっとでもじらしたら、女の本性丸出しにして南太平洋みたいに荒れ狂うからね」(松岡和子)。どうです、いいでしょう?0