豊かな死を看取る 家族と介護職のための看取りマニュアル の感想

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参照データ

タイトル豊かな死を看取る 家族と介護職のための看取りマニュアル
発売日販売日未定
販売元メディカルパブリケーションズ
JANコード9784902007305
カテゴリジャンル別 » 医学・薬学・看護学・歯科学 » 医学一般 » 緩和医療

購入者の感想

約8割の人が医療機関で亡くなる現在、死は家の外にあり、家の中で語られることは少なくなった。人は、はじめて経験することに対しては不安がある。やさしく、わかりやすく、死に至るまでの過程を身近に感じられるようなものがほしいと思っていた時、遠い存在だった看取りに親近感を感じられる本ができた。

 本書の監修者であり執筆者の1人でもある苛原氏は、千葉県松戸市で在宅医療に積極的に取り組む医師である。本書は、苛原氏とともに地域で在宅ケアを担う12人が執筆者となっている。少し中身をみてみよう。

 第一章「看取りに必要な知識・考え方」は、死亡の統計からはじまる。私たちの死を取り巻く現状について頭にいれたあとは、人はどのように亡くなってゆくのかということについて病院と在宅の場合を比較する。在宅では心電図のモニターはない。蘇生もふつうはしないし、家族はそばにいる。がんの方は亡くなる1週間前までトイレは自分でいける人が多いこと、亡くなる当日まで意識のある方が8割を超えること、これらは、家族や本人にとっては背中を押してくれるものとなるだろう。在宅ケアには多くの人材が関わることも理解できる。

 第二章「看取りに必要な技術」では、現場の専門スタッフによる解説がきわめて具体的に書かれている。清拭、排泄や食事のケアについても読むと介護者のやる気が湧く。家庭における医療的なケアとして、痰の吸引や経管栄養、床ずれのラップ療法、口腔ケアなどについては、図や写真もきれいで明日からでも実行できそうになる。がんの痛みを緩和する麻薬の使い方については、麻薬をあまり使いたがらない医療関係者にも読んでほしい。

 第三章「看取りと心のケア」では、誰にでも訪れる死について、傍らにいるものの接し方、介護職としてどう支えるか、最近注目されている音楽療法についても触れられている

 第四章は「葬儀と家族の悲しみのケア」である。なぜ葬儀まで?と思われるかもしれないが、ここまで読み進めると、もう看取りというのは、亡くなるまでという範囲にとどまらないのは容易に理解できる。遺体の処置や葬儀、さらに残された家族の悲しみに対するケア(グリーフケア)についても、違和感なく入ってくる。

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