覇権か、生存か―アメリカの世界戦略と人類の未来 (集英社新書) の感想

アマゾンで購入する

参照データ

タイトル覇権か、生存か―アメリカの世界戦略と人類の未来 (集英社新書)
発売日販売日未定
製作者ノーム チョムスキー
販売元集英社
JANコード9784087202601
カテゴリジャンル別 » 社会・政治 » 政治 » 政治入門

購入者の感想

個人的にはこの手の内容の物で最も衝撃を受けたというか、いかに現状が危機迫っているか、何をどの程度改善する必要があるのかを思い知らされた、そんな著でした。その分析能力や情報量たるや、マイケル・ムーア「華氏9・11」、サイードの「戦争とプロパガンダ」、そしてチョムスキー自身の「9・11 アメリカに報復する資格はない!」以上に切実かつ問題の根底に迫った内容に映りました。
過去のアメリカの歴史を紐解くや、クリントン、ニクソン、ケネディ、ルーズベルトは元より、神話化されているアメリカの祖トマス・ジェファーソンに至るまでをアメリカの異常な好戦性の歴史と病巣と解き明かし、現在のアメリカの超大国ぶりと行動学を「箱の中を全てダメにしかねない一個の腐ったリンゴ」と例え、アンケート調査の結果、世界でもっとも恐れられているのはフセインも、キム・ジョンイルも差置いて、堂々第一にジョージ・W・ブッシュであると暴露。アメリカの建国ぶりからその法律に隠されたメタファーに潜む驚異的な傲慢さと狡猾さを余すことなく分析し、衝撃的な影響力を持って読む者を「ブッシュ嫌い」どころか、「アメリカ嫌い」にまで誘導する力を持った著と言って過言ではないでしょう。
これほどの完成度を持って母国を批判出来る思想家が今後アメリカに育っていくのか?外からでは解きほぐすことが非常に困難なアメリカの盲目な突進ぶりにメスを差し挟めるのは、やはり同じアメリカ人の批判者たちにかかっていると思います。そんな中、個人的には不可能に思われたブッシュ再選は果たされ、今後数年に渡ってこの状況が持続かつ悪化するのかと思うと、茫然自失。全世界の温暖化現象の20%以上の原因でありながら、工業化に歯止めをかけたくないと京都議定書を蹴っ飛ばす国の信じがたき姿は、もはや外国の問題では済まされません、絶対に。

あなたの感想と評価

コメント欄

関連商品の価格と中古

覇権か、生存か―アメリカの世界戦略と人類の未来 (集英社新書)

アマゾンで購入する
集英社から発売されたノーム チョムスキーの覇権か、生存か―アメリカの世界戦略と人類の未来 (集英社新書)(JAN:9784087202601)の感想と評価
2017 - copyright© みんこみゅ - アマゾン商品の感想と評価 all rights reserved.