スペース・ファンタジー の感想

冨田シンセサイザー作品が次々にリマスターされ、今までの仕事の総仕上げをされているように思えます。
シンセサイザーのすばらしさを教えてくださった富田先生。最後までついてゆきます。

あくまでも再構成が入っている、という前提ではあるものの、表題曲（？）のスペース・ファンタジーには、ツァラトゥストラはかく語りき、の方が良かったような。オリジナルの方の（LPだとうっかりすると針が飛ぶという）重低音が残ってたり、ラストで重低音が鳴る前にフェードアウトしたりと、元を知ってると気になってしまいます。
あと、せっかく宇宙イメージのアルバムシリーズなら、アランフェスも原曲の方が良かったなぁ…と。あの（宇宙幻想の方の）せいで、アランフェス→ナスカの地上絵→UFO発着基地、というイメージが固まってしまったし、また非常にドラマティックでもあったので。
せっかくならスター・ウォーズもシングル版のイントロを使うのも良かったのでは、とも思います。（シングルカット版はアルバム版より長い）

ときに、これが出る前に何となく「冨田勲はバッハはやったけどベートーベンとかはやってないよなぁ、田園とかやって欲しかったなぁ」とか思ってたんですが、入ってるし(笑)、田園。まぁよく知られてる田園ではないんですが、それでもなかなか。
花のワルツはボコーダーは必要だったのかなー、当時はボーカロイドとかないからこれしか無かったかなー、とも思いますが、もーストリングスの厚みと華やかさといったら。フルで収録されてない（製作されてない？）のがものすごく惜しまれます。
花のワルツも田園も「ファンタジア」の為のものではありますけど、これに青く美しきドナウとか加えて、「2001年宇宙の旅」の最初付近の華やかな宇宙旅行時代を描いてくれたらな~、などと妄想したりしてます。そういう風に聴こえるのもトミタサウンドでしょうか。