欧州リスク: 日本化・円化・日銀化 の感想

アマゾンで購入する

参照データ

タイトル欧州リスク: 日本化・円化・日銀化
発売日販売日未定
製作者唐鎌 大輔
販売元東洋経済新報社
JANコード9784492444078
カテゴリビジネス・経済 » 経済学・経済事情 » 各国経済事情 » ヨーロッパ

購入者の感想

欧州債務危機を起点として、危機そのものは当局の確固たる姿勢により一旦の収束を見る形になっているが、ここまでの経過としてもたらされるであろう、ユーロ圏の日本化という論点を分析力鋭く、理論的に論じ立てていく一冊。ここまでの流れが、バブル崩壊以降の日本の歴史的流れと類似する点を俯瞰し、またそれを一つ一つ丁寧に学術的に整理分析を進めていくという点が本書の特徴であり、他の欧州悲観論を語る書と一線を画するところといえる。内容に関しても、まさにその通りと思わせる、説得力ある論理展開にあり、また、基礎的な経済学の理論にもわかりやすくレビューすることも忘れず、経済学の入門的な段階にある人にも、現在、長い歴史の一つの転換点、デフレの入り口にある可能性のあるユーロ圏という生の題材を介して、日本の経験も交えながら、マクロ経済の基礎を学ぶということにも適しているといえるのではないだろうか(特に途中の分析的データのチャートが豊富であり、またその原点も明確に示されいることから、自身で分析してみたいという方にも有用といえる)。是非とも、この種の業界に属する若手諸氏にも読んでもらいたい良書と感じる。
バランスシート不況、人口動態の変化等、リーマン危機を起点として、先進国が過去の様な勢いのある経済発展を遂げるという前提自体に疑問符が投げかけられつつある中、名誉にも不名誉にもこのトップランナーとなってきた日本の経験から学ぶということを丁寧に行うことは有用といえる。それを現在進行形にあるユーロ圏に当てはめて行った本書の意義は深い。
域内主要政府当局、中央銀行が日本の経験に学び正しい政策パスをたどることができるか、現時点では悲観せざるを得ないが、本書を通じてわかることはある程度の処方箋はあるということ。本書を常にレビューしながら今後のユーロ圏の展開を見ていくことは、金融市場と接点を持つ人間であれば様々な気付きをもたらしてくれるといえるだろう。

あなたの感想と評価

コメント欄

関連商品の価格と中古

欧州リスク: 日本化・円化・日銀化

アマゾンで購入する
東洋経済新報社から発売された唐鎌 大輔の欧州リスク: 日本化・円化・日銀化(JAN:9784492444078)の感想と評価
2017 - copyright© みんこみゅ - アマゾン商品の感想と評価 all rights reserved.