アルプス登攀記〈上〉 (岩波文庫) の感想
参照データ
タイトル | アルプス登攀記〈上〉 (岩波文庫) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | エドワード ウィンパー |
販売元 | 岩波書店 |
JANコード | 9784003223918 |
カテゴリ | 文学・評論 » 評論・文学研究 » 外国文学研究 » 英米文学 |
購入者の感想
文体はイギリス人らしいユーモアを交え、かつ実録的な好ましい文体。なかなかの名文です。登山文学というのも紀行文と同じで、そうそう劇的な事件というのは起こらないものだけど、その名調子に乗せられてページが進む。淡々とアルプスの世界に浸れるので、しみじみいいです。おもしろいのは、山に行っても、結局トラブルは人間関係から起こるというもの。一見俗世間を離れた場所ほど、人間関係が濃密で、かえって薄汚いものが渦巻いている。だから、人との関係に疲れて山に登るとか、田舎に行くというのはまったくもって間違ってるかも。人間関係に疲れたら、都会に行くべきです。それにしても、山師とはよく言ったもので、山案内を職業とする輩は、よくもまあ盗んだり裏切ったりするもんだ。まあ、いまは改善されているのかもしれないけど。