タナトスの織り糸 の感想

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参照データ

タイトルタナトスの織り糸
発売日販売日未定
製作者松井五郎
販売元株式会社ワープアンドアソシエイツ
JANコード9784907602000
カテゴリ文学・評論 » 詩歌 » 詩集 » 現代詩

購入者の感想

装丁の印象にややミスリードの感が残ります。詩が何かを考えるのに絶好の一冊、ではありません。好きな人はとことん好きだし、そうでない人は全く受け付けない作家、そして作品だと思われます。

読む時々でいろんな事を想像させてくれます。
歌詞で見る松井五郎さんの世界とはまた違った印象です。

手にとって読み始めたはよいが、それ以上読み進める気にはなれず、
途中で本を置きたくなるのは気のせいでもなんでもないのだろう
もっと確信に満ちた何かを期待していただけにという、この残念さ。

懐疑、皮肉、あきらめ、無常幾重にも意味ありげに積み上げられ、まるで開き直りのように
意図的に織り上げられた巧みな比喩とイメージに満ちた言葉の羅列からは、そんなフレーズが
浮かんでくる。希代の著名作詞家の詩集として初めて手に取られた人の中には、驚きと困惑と、
おそらく容易には理解しがたい空気への戸惑いで沈黙を余儀なくされている向きも多いかもしれない。
にも拘らず売り上げランキング現代詩チャートに目を向けると、それなりの順位に位置している。
かと思えばアマゾン限定のいわゆるネット発送販売。商品としてどことなく同人誌的、
と感じたのも無理はないかもしれない。それだけにどこまでも私的な、作家個人の
一つの創作モチベーションを主体として、こうして世に出た作品である事実が色濃い。

ましてや詩あくまでそうした創作作品として、これが芸術と謳うのであれば、ああそうか
と思わせざるを得ないのだが、どこか幾編ものこの詩の数々から立ち上ってくる全体的な
病んだ空気からは、やはり読者それ自体の共感そのものを、はなから拒絶している、といった
ペシミスティックなものを感じる。以前、公式サイトにて公開していたI.D.という日々書き連ねた
連作ポエムからの抜粋も幾つかあるようだ。その頃から少なからず感じていたことなのだが、
作詞家としての大きな成功とは裏腹に、実は自身の身の置き所としてのすべてに、心の奥底では
満足していないのでは?愛情生活、理想との乖離、いやもっと根源的な人間一個人としての
生きることの充足感。だからこそ、こうした閉鎖的な距離感を如実に感じてしまう。基からが
空虚(からっぽ)であるがゆえに膨大に溢れかえる言葉の迷宮と、独白の如くのその軌跡

どこか生ではなく、死へと向けられた視線。タナトスの織り糸とは、言いえて妙だ。

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株式会社ワープアンドアソシエイツから発売された松井五郎のタナトスの織り糸(JAN:9784907602000)の感想と評価
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