サービス・ストラテジー の感想

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参照データ

タイトルサービス・ストラテジー
発売日販売日未定
製作者ジェームス・トゥボール
販売元ファーストプレス
JANコード9784903241425
カテゴリ » ジャンル別 » ビジネス・経済 » マネジメント・人材管理

購入者の感想

本書の原題は「Service is Front Stage(=表舞台)」である.

すべての事業活動は表舞台(サービス)と裏舞台(モノづくり)の両方から構成され,製造業やサービス業の違いはその比率の違いでしかないというのが本書の基本スタンス.これまでも,サービス業と製造業の区別は意味がないという指摘はしばしば行われてきたが,「表舞台」と「裏舞台」という比喩はわかりやすい.そして,昨今は裏舞台より表舞台の重要度が増してきていると主張している.

本書では表舞台を強く意識しながら事業全体を分析する手法として「サービストライアングル」と「サービス・インテンシティ・マトリックス」などの道具を提案している.「サービストライアングル」は,事業のマーケティング,プロフィットチェーン分析,力関係分析,クオリティギャップ分析を行う場合に,「企業」「サービス提供者」「顧客」の三角形で考えるとわかりやすいというもの.「サービス・インテンシティ・マトリックス」は,事業のポジションを2軸,すわなち製品/サービスの提供物の形態(特注品⇔標準品)と顧客とのやりとりの緊密度(個別対応プロセス⇔標準化したプロセス)で表現し,ポジショニング戦略を考えるための道具を提供している.これらの道具は既存手法と比べて特筆するほど新鮮であったり便利であったりという印象はないが,道具の1つとして持っておいても損はしないだろう.

最終章では,変革のプロセスに言及している.すなわち,立派なサービス戦略を策定しても,いざ実践となると多くの企業では好ましい結果を上げていない.本書では,「ダイエット」のアナロジーを用いて実践の難しさを説明している.評者もサービスイノベーションを実現する変革のプロセスこそ重要だと思っており,本書の主張にはまったく同感なのだが,本書の説明(「4つの問い」と「三つのフェーズ」)はやや概念的・抽象的であり,机上の議論のように感じた.

「サービスイノベーションを実現する変革プロセス」を深い現場観察に基づいて議論する書籍の登場を待ちたい.

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