ヘドバン Vol.6 (シンコー・ミュージックMOOK) の感想

かっこいい表紙を開くと、怒涛のベビメタ特集。まず、巻頭カラー4ページ目で人前にめったに現れない美しい女神の姿を拝むことができます。新春キツネ祭り、ライブ盤、新曲の複数ライターによるレビューは尋常でないボリューム感。かつ、レビュー内容がとにかく熱い。決して、ベビメタよいしょレビューではありません。あくまでメタル視点で、それぞれのライター独自のメタル愛満載の渾身のレビューになっております。そして、待望のKOBAMETAL、MIKIKOMETALのインタビュー。ロンドンでの新曲披露の理由の一つとして、KOBAMETALの「YUIMETALが「是非」と熱望していたので」との回答はファンにとっては興味深いものでしょう。

「ジューダス・プリースト塾」と「メイデン・アフタースクール」での伊藤政則塾長の講義がまた秀逸です。本来はメタル初心者を対象とした講義ですが、その濃厚な内容はベテランのメタルファン、ロックファンも必読と言える内容です。

そして、まさかの「THE PRODIGY道」！賛否両論あるでしょうけど、個人的には本号のNO.1企画です。日本のメタル雑誌でプロディジーの特集を組めるのはヘドバンしかないでしょう。

最後に本誌でも触れていますが、BABYMETALのWorld Tour決定という激震がヘドバン編集部内に走りました。ベビメタでメタルに目覚めた若者、ベビメタでメタルに回帰した中高年のためにも、何とか完全レポを実現してほしい。シンコー・ミュージックさん、お願いします！

自分がアイドルのCD/DVDを買うなんてどうかしているんじゃないか。

BABYMETALファンの、約半数が感じたことのある疑問ではないでしょうか。
生活の中にBABYMETALが浸透していくうちに、
いやどうもしていない、自分はまともだ、カウンセリングを受けなくてもいいんだ、
と確信を得るという通過儀礼を受けた人たちがこの本を買うのだと思います。

BABYMETALが音楽雑誌で大々的に扱われることは今のところほとんどありません。
しかし老舗の音楽雑誌特有の、
ありがたみと実態のない権威にすがる必要がメンバーにはないので
これでいいのだと思います。

その意味でもヘドバンは面白いです。
いい意味でどうかしているかもしれませんが。