恋は賢者の愚行 (小説版) 【イラスト入り】 (花丸文庫) の感想

良かったです、とっても。
あらすじとイラストにひかれて購入したのですが、予想より楽しかったです。
幸せ感を満喫できたらいいなぐらいに思ってたんですが、それ以上の収穫はあったと思います。

あらすじー
父親の会社が倒産し、家財没収・・・
一家離散の末ホームレスとなってしまった知明（ちあき）。
知明は一家離散の前は、引きこもりで親のすねかじりのうえ、ニートという立場だった。
何かをする事を思いつく事なく、頼るあてもないので公園で寝泊りを続けるしかない生活ー
そこを変質者に目をつけられ襲われかけるが、十和（とわ）という歯科技工士に助けられ事なきを得る。
それをきっかけに十和の家で介抱されるが、ある事から十和は知明の歯と歯並びを知り、喜びに歓喜する。
歯のオタクでもある十和は、しばらく知明の生活全般の面倒をみてくれる事にー

・・・ここから十和の甘やかしというか、知明に対しての世話をとことんまでしてくれる生活が始まります。
それは知明と十和の些細な認識の違いからも余計に深まってしまい、まるで知明は十和のペットのように甘え始めていく。
それを拒否せず、まめ豆しく世話をし、なおかつ知明の頭を撫でるまでする十和。
まるでそれが十和の癒しのように。
思わぬ需要と供給が満たされていく世界が、不自然になる事無く描かれています。
も〜知明も十和が甘やかしてくれるからって、ホント安心しきってるんですよ。
爪を切ってくれたり、歯を磨いてくれたり・・・お前は子供か！っていうか、ホントのペットか！と言いたくなるぐらい。
しかし十和は我慢しているでもなく、好きでしてるんですよね。

上記に書いたような事は序盤の事なんですが、ここから意外性のある出来事や事件が起こります。
そこからがこのストーリーの深さと意義ある面白みが伝わるところでもあります。
詳細を書く事が出来ませんが、それらは読んで良かったと思える事ばかりでした。
恋愛を成就させるだけのストーリーじゃなくて、大切な人への感謝の気持ちを甘く、暖かく伝えてもらいました。