魔の山 (上巻) (新潮文庫) の感想

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参照データ

タイトル魔の山 (上巻) (新潮文庫)
発売日販売日未定
製作者トーマス・マン
販売元新潮社
JANコード9784102022023
カテゴリジャンル別 » 文学・評論 » 文芸作品 » ドイツ文学

購入者の感想

本書のあらすじ等は他のレビューを読んでいただくとして、「翻訳」という観点から、岩波の関・望月訳と新潮の高橋訳を、ドイツ語の原作と比較してみました。

岩波(関・望月訳)
・仮名遣いや言い回しが古く、原作に近い味わいがある。
・原作の「構文」を極力変えずに訳してある。(一つの文が長い)
・訳注が多い。ヨーロッパのインテリの共通認識や、セテムブリーニのセリフについての解説が詳しい。
・誤訳が多い。

新潮(高橋)
・岩波に比べるとまだしも翻訳が新しいので、現代人には読みやすい日本語になっている。
・原作の長い文を読みやすく分割している。そのため、原作とはかなり異なった単純な構文になっている箇所が多い。(原作に比べると一文が短く、句点が多い。)
・訳注が少なく、本文中で解説できるものはそうしている。
・後から出版されただけあって、岩波よりも誤訳は少ない。

読みやすさを重視するなら新潮、原作の文体や言い回しに近いほうを選ぶなら岩波、というところでしょうか。
どちらにしようか迷っている方の参考になれば幸いです。

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