三浦綾子 電子全集 続 氷点(上) の感想

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参照データ

タイトル三浦綾子 電子全集 続 氷点(上)
発売日2012-10-26
製作者三浦 綾子
販売元小学館
JANコード登録されていません
カテゴリ »  » ジャンル別 » 文学・評論

三浦綾子 電子全集 続 氷点(上) とは

  辻口病院院長家族は当時3歳の娘ルリ子を殺され、養女陽子を引き取り育てていた。養母夏枝から、18年前にルリ子を殺したのは実の父親だということを知らされた陽子は自殺を図る。一命を取りとめ、養父啓造から自分は犯人の子ではないという新事実を知ったとき、陽子はより重い罪に悩む…。さまざまな人間関係が絡まり合い、陽子を中心としてそれぞれが人生の道々で「ゆるし」を乞うのだった。

 『氷点』では生の躍動に満ちていた陽子が、この続編では一転して魂の半死状態で描かれている。そんな陽子の姿に胸を締めつけられる読者も多いだろう。登場人物がそれぞれにかかわる人を非難し裁き合う姿はそのまま我々の姿に重なり、自身の醜いところを暴かれる感さえ受ける。裁き合う人間同士が真に「ゆるす」ことが可能なのかを著者は問いかける。一度は失ったかもしれない陽子の生を、テーマである「ゆるし」によって再生する様子を本書で描き出すことが、著者の目的だったのかもしれない。(青山浩子)

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