常識から疑え! 山川日本史 近現代史編 下 「研究者もどき」がつくる「教科書もどき」 (Knock the Knowing) の感想
参照データ
タイトル | 常識から疑え! 山川日本史 近現代史編 下 「研究者もどき」がつくる「教科書もどき」 (Knock the Knowing) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 倉山 満 |
販売元 | ヒカルランド |
JANコード | 9784864711845 |
カテゴリ | 歴史・地理 » 日本史 » 一般 » 日本史一般 |
購入者の感想
第二次世界大戦や朝鮮戦争で最も得したのは「ソ連」であるという視点での解説を行っているのは斬新である。すなわち、ソ連は、第二次世界大戦では日本を米国と対決するように仕向け、朝鮮戦争では米国と中国が対決するように仕向けたというのである。教科書に「諜報」や「スパイ」というのは似つかわしくないが、「ゾルゲ事件」や「近衛上奏文」などを想起すれば、実は、本著で書かれている内容こそが本質を捉えているのかもしれない。
また、太平洋戦争への道は「軍部の暴走」という評価が一般的であるが、当時から力を持っていたのは大蔵省であり、軍部は予算を獲得してくるのに苦心していたというのは面白い。
その他にも興味深い指摘は多い。リットン調査団の報告が実は「日本の権益」を認めるもので、国際社会の利害関係を調整したもの(ブルガリア方式)だったという。松岡洋右が実は国際連盟脱退を阻止することに注力していたというのは驚きだった。関東軍や盧溝橋事件などの切り口も面白い。
なお、教科書の問題点は「上」のレビューで書いたのであえて触れない。
また、太平洋戦争への道は「軍部の暴走」という評価が一般的であるが、当時から力を持っていたのは大蔵省であり、軍部は予算を獲得してくるのに苦心していたというのは面白い。
その他にも興味深い指摘は多い。リットン調査団の報告が実は「日本の権益」を認めるもので、国際社会の利害関係を調整したもの(ブルガリア方式)だったという。松岡洋右が実は国際連盟脱退を阻止することに注力していたというのは驚きだった。関東軍や盧溝橋事件などの切り口も面白い。
なお、教科書の問題点は「上」のレビューで書いたのであえて触れない。