芸術の陰謀―消費社会と現代アート の感想

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参照データ

タイトル芸術の陰謀―消費社会と現代アート
発売日販売日未定
製作者ジャン・ボードリヤール
販売元エヌティティ出版
JANコード9784757142770
カテゴリ » ジャンル別 » 人文・思想 » 哲学・思想

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「芸術の陰謀」は、1996年に発表された短い論考(本書内13頁)だ。
ウォーホール以後の現代美術の有り様を人類学的視点から、消費社会/コマーシャル・メディア的社会のシステムの一部として論じている。
芸術は自ら「無価値・無内容だ」と叫ぶことで、本当はそんなはずはあるまいと考える素朴な一般人を取り込み、共犯関係におく。
つまり、現代アートを理解できない人やそこに理解すべきことは何もないことが分からない人の後ろめたさにつけ込んで芸術は存続している。
そのような遣り口こそ<芸術の陰謀>であると。そして、実際に「現代芸術は無価値・無内容である」と言い切り、
現代美術シーン(業界)に足蹴りをくらわせボロクソに批判、そして挑発。
(後のインタビューでは、この論考は少し性急すぎたとも言っているが。)

この衝撃的な現代アート論は、発表されるやいなやフランスさらに国際的にも物議を巻き起こした。
本書は「芸術の陰謀」の他に、この論考に対してのインタビュー記事が4本。さらに、「芸術の陰謀」に関連する現代アート論、
そして訳者である塚原史氏によるキーワード解説によって構成されている。
長年ボードリヤールの著作の翻訳を手がけてきた塚原氏だけに、丁寧な解説で、
メタファーや独自用語を多用するボードリヤールのテキストの理解を助けてくれる。

 おそらく誰しもが一度は首をかしげたことがあるだろう現代美術シーン、例えば、
テクストは意味ありげを気取っているが陳腐で外注丸出しの作品や、現代美術品として数億円で取引されているフィギア、
投機対象としてオークションを賑わせる絵画やオブジェたち、プログラミングによるゲーム感覚のインタラクティブ作品
(展示会場ではシステムトラブルで作動していない場合も多々ある)、
さらにそれらを<現代芸術>として受容してきた自分自身を思い起こせば、
ボードリヤールの論考は極端ではあるが、まさにその通りだと言わざるを得ない。

 金融システムの破綻によって資本主義と消費社会自体の内部崩壊があらわとなっている現在、

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