白熱講義! 集団的自衛権 (ベスト新書) の感想
参照データ
タイトル | 白熱講義! 集団的自衛権 (ベスト新書) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 小林 節 |
販売元 | ベストセラーズ |
JANコード | 9784584124499 |
カテゴリ | 本 » ジャンル別 » 社会・政治 » 外交・国際関係 |
購入者の感想
新聞・TVは安倍改造内閣の成立に際して、首相と石破茂の対立話を面白おかしく報じていたが、肝心の集団的自衛権における二人の考え方の相違(「戦争が出来る国にする」では同じ)についてまともに論評するメディアは多くなかった。これらのメディアに頼る気持ちはとうの昔に失せてはいたが、それにしても連日続くバラエティー報道にはイライラさせられた。そんなイライラを解消してくれたのがこの白熱講義本。
著者は言う。「憲法学者はみな、正直困惑している。なぜ、こんな簡単な話がわからないのか。こんなのは2、3頁もあれば論破できる問題だ」と。その言葉の通り集団的自衛権賛成派、反対派の意見のそれぞれの問題点を「憲法」という刀でバッサバッサと切り割っていく。そこには躊躇や衒いといったものは一切無い。そんな単純に割り切っていいのかなという思いは少し残るものの、ここまで切れ味鋭くやられると一種爽快ですらある。「集団的自衛権とは、他国(同盟国)の戦争に荷担する事だ」「権力者の情報操作に謀れるな!」。論旨は明快である。それにしてもすっきりと事を片づけていく。憲法学者は数学者と同じアタマの持ち主なのかも知れない。
著者は集団的自衛権の問題そのものよりも、立憲主義の精神が日本人に理解されていないことに苛立っているようだ。その立憲主義について書かれた第六章、特に「各人は、ひとりの個性的な人間(個人)として生まれてきたが、それゆえにそれだけの理由で、最高に尊い存在である……」と続く憲法第十三条の意義を説く本書最終盤の文章は胸を打つ。
著者は言う。「憲法学者はみな、正直困惑している。なぜ、こんな簡単な話がわからないのか。こんなのは2、3頁もあれば論破できる問題だ」と。その言葉の通り集団的自衛権賛成派、反対派の意見のそれぞれの問題点を「憲法」という刀でバッサバッサと切り割っていく。そこには躊躇や衒いといったものは一切無い。そんな単純に割り切っていいのかなという思いは少し残るものの、ここまで切れ味鋭くやられると一種爽快ですらある。「集団的自衛権とは、他国(同盟国)の戦争に荷担する事だ」「権力者の情報操作に謀れるな!」。論旨は明快である。それにしてもすっきりと事を片づけていく。憲法学者は数学者と同じアタマの持ち主なのかも知れない。
著者は集団的自衛権の問題そのものよりも、立憲主義の精神が日本人に理解されていないことに苛立っているようだ。その立憲主義について書かれた第六章、特に「各人は、ひとりの個性的な人間(個人)として生まれてきたが、それゆえにそれだけの理由で、最高に尊い存在である……」と続く憲法第十三条の意義を説く本書最終盤の文章は胸を打つ。