子供の名前が危ない (ベスト新書) の感想

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参照データ

タイトル子供の名前が危ない (ベスト新書)
発売日販売日未定
製作者牧野 恭仁雄
販売元ベストセラーズ
JANコード9784584123577
カテゴリジャンル別 » 人文・思想 » 心理学 » 心理学入門

購入者の感想

 ニュースなどを見ていると最近の子供の名前にはどう読むのか全く想像もつかないものがある。
 たとえば、走人=じょんそん、とか、空翔=つばさ、といった類だ。
 こんな変わった名前を子につける親に対して、やや批判めいた気持で手に取った。

 親が子につける名前には世相が反映されるという。
 それは人気のある芸能人や活躍しているスポーツ選手、政治家にちなんだ名前ということではない。
 その時代が親たちに強いる社会環境、たとえば戦争とか貧困、病気といったひどくマイナスの状況から逃れたいという願望が命名に反映される、ということである。
 例えば戦時中、敗戦色が濃くなってきた時代には、勇、勝、進、といった名前が上位だった(P63)。
 また戦後の食糧難の時代には、茂、実、豊といった豊作を連想させる名前が多かった(p67)。
 バブルの時代には「愛」のつく名が、最近では「心」のつく名が多い。

  「名前は世相そのものをあらわすのではなく、日本人の欠乏感をあらわしている」p65

と、著者はいう。
 では、子に珍しい名をつける親たちには何が欠乏しているのか。

  「こうありたい自分でいられない、という無力感が彼ら全体を包んでいる」p110

 つまり、自分自身の存在価値、生きている実感といったアイデンティティの根幹にかかわる重要なポイントが欠乏しているのである。
 著者は「珍奇ネームの子が虐待死していくという奇妙な傾向は、親の心の闇を象徴している可能性が高い(p116)」とも分析していて、事態はたんなる「変な名前」を越えて深刻だ。

 著者自身、父親につけられた「恭仁雄」という珍奇ネームで苦しんだ。そして、その名をつけた父親の心の闇にたどりついたとき、珍奇ネームをつける親の気持ちがはじめてわかったという(p122-125)。ここが本書の核心である。

  「珍奇ネームもいいじゃないか、名前で親がバカだとわかって便利だ」p53

と、揶揄する人もいるという。

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