The Goldfinch: A Novel (Pulitzer Prize for Fiction) の感想

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参照データ

タイトルThe Goldfinch: A Novel (Pulitzer Prize for Fiction)
発売日販売日未定
製作者Donna Tartt
販売元Little, Brown and Company
JANコード9780316239875
カテゴリ » 洋書 » By Publisher » Hachette

購入者の感想

ニューヨークのメトロポリタン美術館で爆弾テロに巻き込まれた13歳の少年Theoは、事件で最愛の母親を失うが、奇跡的に生き延びる。この悲劇の場で、Theoは三つの運命の出会いをする。臨終を看とどけた初老の男、彼と一緒にいた赤毛の少女、そしてファブリティウスのThe Goldfinchである。

死ぬ間際の初老の男にしつこく促されて名画The Goldfinchを持ちだしたTheoは、失った者へのこだわりと秘密の重さに押しつぶされながら迷路のような人生を送る。

ネタバレをしないほうがいい小説なので筋に詳しく触れないが、読んでいるうちに連想したのは、Jay McInerneyのBright Lights, Big City やStory of My Life 、Tom WolfeのThe Bonfire of the Vanities だ。文章はTarttのほうが洗練されているが、読みやすさならMcInerneyやWolfeのほうが優れている。

もちろん、McInerneyやWolfeが書く小説はシリアスな文学とは考えられていないが、Tarttはどうなのか?
一般の読者は、「ピューリッツァー賞を取ったくらいだから正統派の文芸小説として認められたのだろう」と思うはずだ。
ところが、「Tarttの書くものは子ども用だ。こんなのを文芸小説(Literary fiction)として扱うと読者のレベルが劣化する」といった論調で批判する文芸評論家もけっこういるのである。

私自身は、Tarttは十分洗練された正統派の文芸小説家だと思っている。そもそも、文芸小説とジャンル小説をはっきり分けて考えるほうが間違っているのだ。ジャンル小説の中にも文章が素晴らしいものがあるし、文芸小説の中にも「これは大学の創作クラスで学んだテクだな」と飽々するものがある。

私がThe Goldfichを心から愛せなかったのは、文章のせいではない。この小説が問いかけてくる「生きる意味」や「運命」の感覚が、今の私とはかけ離れていただけである。

しかし、登場人物たちやディテールは面白かった。

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