ニッポン定食紀行 (竹書房文庫) の感想

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参照データ

タイトルニッポン定食紀行 (竹書房文庫)
発売日販売日未定
製作者今柊二
販売元竹書房
JANコード9784812444849
カテゴリ暮らし・健康・子育て » グルメ » レストランガイド » その他

購入者の感想

 取材力は、いい。地域に妙な偏りがあるものの、それでも店や料理の描写はよく伝わってくる。
 しかしね、著者は作中で何度も古本屋好きを自称しているように(それもくどいくらいに)、たぶん文章を読むのが好きなのだろう。それなのに、表現が不快なほど陳腐。あたかもエッセイストかレポーター気取りの「食べログ」のレビューを見ているかの如し。軽い文体と安直な文体は違う。料理が届いたときの「おお…」なんて描写は何度出てくる?「むむむ」なんてやめておいてくれよ、プロなんだし亜法丸出しだから。下手なブログを読んでいるように不快指数100%だ。一冊の著書の中で同じ表現を繰り返し繰り返し使わないってのは基本中の基本。
 読書好きのようであるから本多勝一「日本語の作文技術」を読むことを強く勧めておく。著者の黴の生えて腐りきったイデオロギーはともかく、テクニック面においては間違いなく名著だ。後著に役立つこと間違いない。

07年刊行の「定食ニッポン」の続編。08年から10年にかけて訪れた全国津々浦々の定食屋を紹介。文庫オリジナル作。

著者の作品はどれも、何も考えずに楽しめればそれでよし!的で、食べ歩きと全国の古本蒐集が好きなサラリーマン(実際サラリーマンなのだが)の無邪気なブログをまとめたという印象しか残らないので、一読したときにはいつも物足りなさが残ってしまう。

だが、とにかく気楽に読めるので、就寝前の睡眠導入剤?としてけっこう愛読していたりもする。どの作品もものすごくおもしろいということはないけど、なんとなく繰り返し読んでしまいどの作品も結局愛読書になっている。定食と定食的なものを愛して止まない著者の作品自体がすでに定食的であり、自分がその味に馴らされてしまった。

だから過去に投稿したレビューの評価も、最初に読んだ二冊(「定食バンザイ(ちくま文庫)」「がんがん焼肉もりもりホルモン(ちくま文庫)」)が普通(☆3)だったのに、三冊目となった「定食学入門(ちくま新書)」「定食と文学」ではそれよりちょい上(☆4)の評価になっていた。

この作品も相変わらず無邪気だ。
そして、副菜や味噌汁にも目を配りつつ、相変わらず揚物を中心とした定食が好きなのも変わらないし、ゴハンも相変わらず大盛りあるいはおかわり。
そんな著者は67年生まれの43歳。もう中年といっていい年齢だ。それなのにこの旺盛な食欲は一体・・・。
評者は著者とほぼ同年代だが、昼食はほとんどソバで済ませている。著者の若さ?が羨ましい限り。

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