十字軍―ヨーロッパとイスラム・対立の原点 (「知の再発見」双書 (30)) の感想

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参照データ

タイトル十字軍―ヨーロッパとイスラム・対立の原点 (「知の再発見」双書 (30))
発売日販売日未定
製作者ジョルジュ・タート
販売元創元社
JANコード9784422210803
カテゴリ歴史・地理 » 世界史 » ヨーロッパ史 » ヨーロッパ史一般

購入者の感想

十字軍、という言葉自体は子供のころから何となく聞いたことがあり、
高校の世界史とかで習うのかな?と思っていた。
しかし、結局学校では十字軍についてまったく教わることはなかったのである・・・。
そして、現在中世文学を専門としている私は自ら十字軍について知る必要を
感じ、この本を読んでみた。
知の再発見双書シリーズは非常にカラー図版が多くて、しかも本文内容も
きっちりしているので手軽に楽しく豊富な知識が得られて良い。
本書もキリスト・イスラム双方の絵をまじえつつ、当時の世界の様子から、
十字軍のおこり、十字軍&イスラム側の戦争の模様、ラテン国家建設の
様子、そして双方の強さも弱さも、善行も悪行も描いていく。
単純に、エルサレム奪還をめざして軍をすすませて、何やかんやと戦争して
結局キリスト教徒たちが負けた、というだけではない、複雑な事情がていねいに
書かれている。教皇庁、ビザンティン帝国、西欧各国、イスラムの各勢力、
そして宗教(キリスト教にもいろいろな宗派があるわけだし)、武装修道会・・・
それぞれ「聖戦」といって団結を試みるものの、とりわけキリスト教世界における
さまざまな勢力同士の微妙な関係も、十字軍が(西欧の視点からいうと)
失敗した理由のひとつだとわかる。
イスラム側のようすも詳しく述べ、どちらの側にも公平な目をもってバランス良く
記述されている。そして、十字軍の結果、イスラムとキリスト教の深い溝だけが
残り、キリスト教世界が得たものなどアンズぐらいだ、と冷めた見方を
貫いている。
モノクロの巻末には、十字軍について記した文献の抜粋がたっぷりあり、
さらに知識を深めることができる。

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