ピンダイク&ルビンフェルド ミクロ経済学 (1) 世界のエリートが学んだミクロ経済学決定版 の感想

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参照データ

タイトルピンダイク&ルビンフェルド ミクロ経済学 (1) 世界のエリートが学んだミクロ経済学決定版
発売日販売日未定
販売元KADOKAWA/中経出版
JANコード9784046011022
カテゴリビジネス・経済 » 経済学・経済事情 » 経済学 » ミクロ経済学

購入者の感想

分野:ミクロ経済学
レベル:入門〜初級

概要:
本書はアメリカのMBAの学生向けに書かれたミクロ経済学の教科書である。
ミクロ経済学の基礎的な考え方と、その現実への応用例が豊富に紹介されている。
更に、全編を通じたカラー印刷が読者の理解を助けてくれる。
その性格上、難しい数学をほぼ使っていないことも、読者にとっては安心材料である。
近年稀に見る良書で、数多ある翻訳教科書の中では、ミクロ経済学の入門書の決定版である。

詳細:
本書の長所は
 (1)ミクロの基礎的な考え方を直感的に理解でき、
 (2)現実への応用例を豊富に紹介している
という二点にまとめることができる。

本書は米MBA[日本で言うところの、経営管理修士(専門職)]の学生向けに書かれている。
そのため、意味不明な数式をこねくり回して難しい議論を延々とすることよりも、
 ミクロ経済学の大切な考え方を理解する!
ことに重点が置かれている。
そして、いかにもMBA向けらしく
 ミクロ経済学が現実経済でどれだけ使えるか?
という応用可能性についても例を豊富に紹介してくれている。
そのため、本書を読み進めることで
 ミクロの考え方も応用例も一気に理解できる
ことが本書の特徴であり長所である。

ミクロの考え方と応用例の両方を盛り込んでいるが、本書では両者が区別されているため読者に優しい作りになっている。
また、全編を通じたカラー印刷が、直感的な理解を大いに助けてくれるだろう。

惜しむらくは分量が多く(二分冊)、懐に厳しいところだろうか。
しかし、真剣にミクロ経済学を学習したい読者には少し無理をしてでも購入を推奨したい一冊である。

 初めて手に取って感じたのはとても装丁が綺麗でレイアウトも分かりやすいという点です.マンキュー,スティグリッツ,クルーグマンの著作など米国の教科書にはサービス精神旺盛でかつそのために分量の多いものがあります.しかし,この本は大部なのにコンパクトにまとめられ,本文以外の様々なコラムにより本文に集中できなくならないような工夫が凝らされていると感じました.実際読んでみると非常に読みやすく原著や翻訳に多くのレビュワーが携わった跡が覗えます.
 そして,理論とそれに関連する事例が抱負で私自身ストックの外部性をの部分を読んでなるほどなと思いました.多様な事例を多く紹介すると数学的な面が疎かになることがあります.しかし,ミクロ経済学を学ぶには,どうしてもある程度の数学が必要になります.この本は微分は用いないものの最小限の記号と図を用いてミクロ経済学に潜む数学的な構造を読者に分からせてくれます.そのための数値例や章末の問題が豊富にあり,学習者や宿題として課す教師にとっても有益です.
 事例については例えば反トラスト法ではアメリカとマイクロソフトの訴訟を取り上げるなど,アメリカ以外の読者にとって馴染めるものを取り上げています.経済学研究の中心はアメリカであり,世界経済の中心もアメリカなのでどうしてもアメリカの経済現象を分析した論文や教科書が多いのですが,その中でもアメリカ以外に住む人々にも違和感を持たないように経済理論を説明するために事例を紹介するという姿勢が好ましく思えました.
 新しい理論を紹介すると言っても情報の経済学やゲーム理論を全面に押し出す訳ではなく,理論を説明する一つのツールとして解説されています.この分野を詳細に語り出すと数学の深みにはまり学習者を置き去りにしがちです.しかし,著者たちはバランス感覚が良く言葉により解説と事例による理解でこれらの理論とそれが説明しうる現象を紹介しています.

 本書は「コロンビア大学、ハーバード大学、イエール大学、スタンフォード大学、MIT、INSEAD……500を超える大学とMBAで採用され続けるロングセラー教科書の完全翻訳」というのが一つの大きな売り文句になっています。確かに私の留学先(上記に列挙されている大学の1つです)では本書(の原書)が教科書として指定されていました。
 ただ、米国のビジネススクールなどでの講義は日本の大学のように教科書の内容を解説していくといったものではなく、教科書は予習段階で読んでおくべきものとして指定されています。講義自体は「ケース」と呼ばれる事例問題を議論しながら進めていくことがほとんどであり、教科書に書いてあるようなことは基本的には説明されません。このような事情もあって、日本の教科書のように講義で解説・補完されることを前提としていないので、自己完結的かつ丁寧に説明されていて自学自習に適したものになっています(そのかわり分厚く高価であることが多い)。

 本書も日本の学者による教科書に比して分量が多く、事例の例示も含め非常に丁寧な記述になっています。これを利点と見るか冗長と見るかは意見が分かれるところでしょうが、少なくとも現役の大学生でない一般読者の独習用には適しているものと思います。

 なお、私自身は経済学の専門家ではないので類書との比較評価は控えますが、私が受けていた講義では本書でカバーされている範囲では少し足りないと感じたのでハル・ヴァリアン「入門ミクロ経済学」(の原書)も自主的に購入して併用していました。ヴァリアンの方が若干高度な内容を取り扱っている気がしましたが、両書とも非常に分かりやすく有用だったのを記憶しています。

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KADOKAWA/中経出版から発売されたピンダイク&ルビンフェルド ミクロ経済学 (1) 世界のエリートが学んだミクロ経済学決定版(JAN:9784046011022)の感想と評価
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