『森鴎外全集・124作品⇒1冊』 の感想

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参照データ

タイトル『森鴎外全集・124作品⇒1冊』
発売日2014-11-27
製作者森 鴎外
販売元森鴎外全集・出版委員会
JANコード登録されていません
カテゴリジャンル別 » 文学・評論 » 評論・文学研究 » 日本文学研究

購入者の感想

 キンドルの「大全」を買う人はその作家の作品をあまり読んでいないのでは。鴎外を電子化する苦労はちくま文庫の鴎外全集をテキストとして選んでいるが、その文庫版鴎外全集は買ったままの私。それなのに大全を読むのは紀元前に生きたローマの文学者ホラチウスの文学論の骨子を信じるため。ヤフーの翻訳を利用すると「教えてくれる、楽しい、座視から行動する」のが文学の効用とか。行動はしないが、学び、喜び続けたい。鴎外の「阿部一族」を読んでサムライであることを願い下げしたい人が多いのではないか。それでも「堺事件」で切腹しそこなった人たちが一時的に与えられた「士分」の資格にあれほど執着するのはサムライの社会的地位が高いため。新撰組の近藤勇もその一人。
 「細木香以」は親の作り上げた身上を遊びで食いつぶした。こんな生き方をする人が幕末にはいたと鴎外は淡々と伝える。そのときの鴎外には明治維新の輝きに旧幕時代を忘れることに熱中する日本人が見えていただろう。時代の動きに「じいさんばあさん」が身をひそめる姿があったかもしれない。じいさんも武士であった。鴎外の目に西洋文化がどのように映っていたか。おそらく漱石のみた明治大正とは見方が違うだろう。その違いが何であったか、「大全」はホラチウスの言うとおりに行動変身こそしないものの、文学の価値を示してくれる。

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