黒いスイス (新潮新書) の感想
参照データ
タイトル | 黒いスイス (新潮新書) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 福原 直樹 |
販売元 | 新潮社 |
JANコード | 9784106100598 |
カテゴリ | ジャンル別 » 社会・政治 » 政治 » 政治入門 |
購入者の感想
周りをフランス、イタリア、ドイツ、オーストリアといった列強に囲まれながら、なぜ小国スイスが近現代を生き延びることができたのかを考えさせられる一冊。「面積世界第132位、人口世界第93位の国家が、一人当たりのGNPで日本を上回り、失業率0.007%であるのはなぜか?スイスの永世中立を隣国が認めるのはなぜか?」という動機を持って本書を読むと、それは魔法でもなんでもなく、スイス人の気質とその政策から導き出される当然の結果であることが分かるだろう。軍事についてだけ言っておけば、スイスの民間防衛は世界一である。隣国は攻めないのではなく、攻められないのである。
日本とスイスのどちらが世界の非常識国家であるかは読者の判断に任せたいが、少なくとも自分の命を守ること、自らの勤労によって得たものを他人に奪われないようにすること、知らない人間よりも家族や隣人の幸福を優先して考えることに関してスイス人が日本人よりも「真面目」であることは疑い得ない。そうしたスイス人の気質は本書ではマイナスに評価されているが、知っておいて損はないことが多くかかれていると言う意味で星四つ。
しかし「美しい理想国家のウソを暴く」だけではもったいないと思う。読んでからいろいろ考えてもらいたい一冊である。
日本とスイスのどちらが世界の非常識国家であるかは読者の判断に任せたいが、少なくとも自分の命を守ること、自らの勤労によって得たものを他人に奪われないようにすること、知らない人間よりも家族や隣人の幸福を優先して考えることに関してスイス人が日本人よりも「真面目」であることは疑い得ない。そうしたスイス人の気質は本書ではマイナスに評価されているが、知っておいて損はないことが多くかかれていると言う意味で星四つ。
しかし「美しい理想国家のウソを暴く」だけではもったいないと思う。読んでからいろいろ考えてもらいたい一冊である。