ジョナサン・アイブ の感想

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タイトルジョナサン・アイブ
発売日販売日未定
製作者リーアンダー・ケイニ―
販売元日経BP社
JANコード9784822250706
カテゴリ » ジャンル別 » 人文・思想 » 哲学・思想

購入者の感想

<「意味」のあるデザインとは>

本書はアイブ氏が今に至るまでの伝記ですが、後半はいかに「意味」のあるデザインについてアイブ氏が追求していった結果、シンプルな製品(エンジニアリングや販売、ユーザーの手元までも含めたデザイン)をアップルが実現していったかが描かれています。

社内の確執なども描かれていますが、さほど詳細な愛憎劇というわけでもなく、ネットのアップル系情報で見聞きしていたことの再放送でした。

他の方がレビューで書かれているように、内容的にはすごい深みや感銘を受けていくようなものではありません。しかしそれも、ジョブズ氏の伝記などと比べてしまうとであり、アイブ氏がまぐれ当たりのデザイナーではなく、きちんとひとつひとつ今に至る階段を登ったり降りたりしてきた結果であるということがわかりました。

アイブ氏は、どうやら、ネジ1本の位置までうるさいらしい。ジョブズ氏がそうであることは前々から言われていましたが、モノづくりにおける基本であると思います。アイブ氏は、そのネジの位置にどういう「意味」があってそこに配置するのか、というようなことを常に追求しているのです。「デザインしました」的な余計な装飾がアップル製品にはあまり存在しないのも、「意味」のないデザインによるコストや使い勝手など、ユーザーにとっても不要なものを省いていく、本当の意味でのコストダウンであったり、デザインなのだと思います。

本書でひとつ惜しいところと言えば、使われている活字です。私は結構多く本を読むのですが、本書は読みにくかったです。例えば、途中で閉じたところから再開しようとして開いた時、どこから読み始めたらいいのかの可読性が悪い。スタート直後に、活字を追う視線が微妙に上下左右を追いかけ、ブレるのです。個人的に目が悪くなったと言われればそれまでですが、行間や紙質・インク色も含め、どこかしらに読みにくい要素があるのだと思います。

自著ではないにせよ、アイブ氏の本なのですから、そこまでこだわってほしかったです。

今や世界最大の企業となったアップル社。その中枢であり、「鉄のカーテン」に阻まれて、一般のアップル社員すら知ることができないIDg、そしてそのトップであるジョナサン・アイブの実像に迫った本です。どれだけアップル社の物作りが凄いかを痛感するともに、「これはもう日本企業は何をしても勝てない」と圧倒されました。
残念なのはデザイン部門を取り扱った本なのに、写真が少なく、かつ白黒であるということ。もちろん元々それが目的の本ではないのですが、実際のデザインについては、日経BP社のアップルのデザインおよびアップルのデザイン戦略 カリスマなき後も「愛される理由」やボーンデジタルのApple Design 1997-2011 日本語版 -ハードカバー-などの本を読むことで補完することができるかと思います。

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