艦船模型製作の教科書~艦船模型を一から作ってみよう~ (ホビージャパンMOOK 445) の感想

はやりの超級精密モデリングを狙わず、
それでも、一応まともな１／７００お船モデルを作りたい出戻りモデラー同士の皆様、
この一冊は、実によい塩梅の技術本です。
１１３ページフルカラー。
大日本絵画系の類本に比すると、お得感は際だちます。

まずタミヤの阿賀野を素組。
細かいパーツの切り出しの基本から、部品のゲート跡、パーティングライン修正、ヤスリかけ、モールドの復旧、と段階を追って技術を学んだ後、
フジミの最新雪風で、現在のハイディーティールキットの素組を通して、
一筋縄ではいかない最新系細かいパーツの切り出しを学び、
いよいよナノトレッド等のプラ製ディーティールアップパーツの扱い方を徹底的に学び、
それをタミヤの阿武隈に組み込むのです。
ここで、いろいろな種類の接着剤の使用方法を叩き込まれ、
繊細な部品の扱いを総演習します。

その後、特定の艦ということではなく、マストの真ちゅう線による組み替えを徹底的に学習し、
プラ製煙突モールドの抜き方を学び、
カタパルトと艦載機用エッチングパーツの組み方を学び、
更に空中線の張り方を学び、
空母甲板の小難しい塗装法をさらう、
というフルコース。

これで出戻りへたっぴモデラーの１／７００お船造りの技術習得には、まず十分でしょう。
ただ、貴方が完全な一から出戻り、もしくは全くの初心者の方であられる場合は、
まずMAX渡辺&大越友恵のガンプラ大好き! (Hobby Japan mook)から入りましょう。
プラモ製作全体の基本の基本を実に素晴らしい塩梅で学ばせてくれる希有な一冊ですので。