リーダーが身につけたい25のこと の感想

本書はリーダーシップを大きくしていくために必要なことを25項目にまとめて紹介する。

例えば、以下のような内容。
■決断する：　決断し続ける事で決めることに対する「筋肉」がつく。次の３ステップでトレーニングする。
①決めることのメリットとデメリットを明確にする。②すぐ決める練習をする。③大きな決断のためにシミュレーションをしておく

■話を聞く：　話を聞くために次の３つの方法がある。
①聞くときにメモを取る。②自分が話しているとき、相手に感想や意見を求める。③第三者に常にチェックしてもらう。

■逃げない：　結果を出すために、犠牲を払ってもやるべきことをやる意思を持つ。逃げてしまう人は、どんなときに逃げてしまうのか棚卸をする。そして、乗り越えたい状況を選び、具体的な行動を決め、周りにそのことを期限とともに宣言する。

以前リーダーの立場で仕事をすることになったときに読んで参考になった。
改めて読み直してみたが、現場のリーダーから組織を率いるリーダーまで幅広く当てはまるのと、
トレーニングによって、リーダーとしての資質を高める方法がわかりやすい点が良い。

本書を読んだ後の経験を振り返ってみて、まさにそうだったなと感じたのは、次の一文。
「決められない人が決める瞬間に感じる独特の不快感を乗り越えるには、繰り返し練習する必要があります。アスリートが筋肉をつけるのと同じように、何度も何度も決めていると、だんだん決める「筋肉」が心についてきます。」

筆者は現役のエグゼクティブ・コーチ。数々の経営者をコーチングしてきて、かつ自身も社長というところも説得力がある。

・たぶん、自分はリーダーに向いてないのかもと内心思いながらも
　仕事の立場上リーダーをやっている人に最適な本だと思った．
　私も３年前、ヒラから急に30人以上の部下を持つようになり、現在も
　自分のスタンスが決まっていないので、腑に落ちる話が多かった．
・多くのリーダー論は、私のような新前マネージャーに合わない社長向け
　の話だったり、逆に「こうしなければならない」とそれに行動が縛られ
　るような公式っぽいマニュアルだったりする．
　自分の場合、後者のようなマニュアル本の断片的な言葉は、むしろ毒で
　自分自身を向いて、現実的制約に基づいて考えることが促されるような
　書物でないと、却って自分がギクシャクしてしまい、「これをやれば正しい」
　というような言葉に引きずられてきた．
・本書は、「ビジョンを描くための3つのステップ」といった類書にある
　マニュアル的内容も満載だが、
　・作業を最初に浮かぶ半分の時間で終わらせる
　・自分のエネルギーを高めてからオフィスに入っていく
　・決められるようになる3つのステップ
　・退路を断って、「すべては自分次第」という感覚を持とう
　といった他書にあまり書かれていない実践的な内容が役に立つ．
　また、冒頭に述べた、考えずにただこれを実行しなさいというのではなく
　自分の中で考え抜いて、説得性のある道筋を貫く、これは譲れないといった
　ものをもつことの大切さを実感した．