魂をゆさぶる歌に出会う――アメリカ黒人文化のルーツへ (岩波ジュニア新書) の感想
参照データ
タイトル | 魂をゆさぶる歌に出会う――アメリカ黒人文化のルーツへ (岩波ジュニア新書) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | ウェルズ 恵子 |
販売元 | 岩波書店 |
JANコード | 9784005007660 |
カテゴリ | ジャンル別 » 社会・政治 » 社会学 » 社会学概論 |
購入者の感想
著者ご自身がおもしろそうな人柄。幼い頃、チンドン屋に憧れて音楽の世界にのめり込んでいった。
黒人奴隷の歴史から労働歌、ブルーズ、ゴスペル、奴隷生活などなどまったく飽きさせず一気に読める。
こちらを読んでから映画ブルースブラザーズとか、長編ドラマ「ROOTS」とか見るとものすごく違ってくる。と思うよ。
黒人奴隷の歴史から労働歌、ブルーズ、ゴスペル、奴隷生活などなどまったく飽きさせず一気に読める。
こちらを読んでから映画ブルースブラザーズとか、長編ドラマ「ROOTS」とか見るとものすごく違ってくる。と思うよ。
傑作です。アメリカの音楽がいかに黒人音楽に影響されているか。それを一から解きおこしています。黒人奴隷の時代から労働歌・黒人霊歌・ブルースまで詳しく記述しています。さらにロック・ポピューラーソングへと発展(?)してきたのでしょう。最初にマイケル・ジャクソンが紹介されています。黒人は悲しい歴史を歌に託して生きてきたことに感動しました。
ジュニア新書だから子供向けなんて思って軽い気持ちで開いてみると、ある意味思いは大きく外れました。中身は濃くてお得感いっぱい。たとえば黒人民話を紹介しながら黒人の価値観が面白く語られていますし、トウモロコシの皮むき歌や男たちのハンマー・ソングから黒人霊歌にまで連なるコール&レスポンスが、具体的な例を挙げて本当にやさしく述べられています。この本にはアメリカの黒人(奴隷)の文化―生活、考え方、死生観などのエッセンスが、選びに選んだ形で書かれています。それをこんなに無造作に享受していいのかしらと思うほど。そして巻末の「読んでみよう!」や「読みやすい英語で書かれた本」、参考文献はたいそう有意義なおまけです。アメリカ黒人文学の理解には絶対に欠かせない1冊であると同時に、人を理解するということはどういうことなのかを深く考えさせられる本でもありました。
難しい内容の本かと思ったのですが、読んでみると、黒人音楽の流れがとても分かりやすく解説されており、その背景にある米国系黒人の悲しい歴史がよく分かりました。何より筆者の、鋭い分析の一方で、愛情溢れる視線が素晴らしいです。
昔から好きだったSimon&Garfunkelの名曲(詩)の数々が、黒人音楽にルーツを求めていたことも知り、改めて黒人音楽が周囲に大きな影響を与えてきたかを再認識しました。「明日に架ける橋」がゴスペルソングとして唄われていることは知っていましたが、結果としてゴスペルソングになった訳ではなく、影響を受けて生み出された曲だったのですね。0
昔から好きだったSimon&Garfunkelの名曲(詩)の数々が、黒人音楽にルーツを求めていたことも知り、改めて黒人音楽が周囲に大きな影響を与えてきたかを再認識しました。「明日に架ける橋」がゴスペルソングとして唄われていることは知っていましたが、結果としてゴスペルソングになった訳ではなく、影響を受けて生み出された曲だったのですね。0