人類進化700万年の物語 私たちだけがなぜ生き残れたのか の感想

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参照データ

タイトル人類進化700万年の物語 私たちだけがなぜ生き残れたのか
発売日販売日未定
製作者チップ・ウォルター
販売元青土社
JANコード9784791767731
カテゴリジャンル別 » 科学・テクノロジー » 生物・バイオテクノロジー » サル・人類学

購入者の感想

本書は「商品の説明」(この上の方)に「数々の利点を手に入れた現生人類は、自然界の厳しい環境をいかにして生き延びたのか? 私たちと、今はもう存在しない祖先や隣人たちの足跡に新たな光を当てる驚きの進化史」とあり、タイトルでは『700万年の物語』ともあるように、そのコンセプトは人類の祖先(類人猿)の出現から現在に至るまでの種の進化(歴史)と見受けられる。実際私の当初の購入動機もそうした予測であったが、構成・内容から観るとより幅広いトピックを取り上げている。このため、各論・総括を含め凡そ当初の期待(コンセプト)とは異なる印象を受ける。

具体的構成・内容は「はじめに」を除いて、(1)「存続を賭けた戦い」、(2)「幼少期という発明」、(3)「学習機械」、(4)「絡み合った網」、(5)「そこかしこにいる類人猿」、(6)「いとこたち」、(7)「野獣の中の美女たち」、(8)「頭の中の声」、そして終章に総論的な「次の人類」からなる。このうち第3章は、脳科学に関するトピック、第4章は(社会)心理学関連の考察、第7章が進化論のうち主として「性選択」理論、第8章が脳生理学、心理学、脳疾病に関するトピックであり、第7章は別論としても少なくとも第3・4・8章は本書の前叙コンセプトと直接に関連するものではなく、その論述の必然性に疑問が残る。このため論旨(全体像)が中断され散漫な印象を与え、全体像を把握しにくくしている感が強い。

また各論において、原著者は凡そ700万年前に出現したとされる「サヘラントロプス・チャデンシス」から現在の我々、即ち現生人類たる「ホモ・サピエンス」まで、類人猿の系統樹(31頁)を基に『700万年』を1年間のカレンダー「HEC」の時間軸上に写像しその進化を紐解いていくのだが、各種の類人猿などの出現や時期の摘示に“現在を起点”とする場合と、過去の特定の時期を起点として“そのXX万年の間”とか、“そのYY万年後”といった表記が混在して一貫しないため混同・誤解しやすい。また大枠では一応時間軸に沿った解説ながら、同一トピックについて各章で時間を前後する論述も散見される。かかる事情は少なくとも私にとっては、非常に読みにくく正確な論旨の把握に負担である。

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