経営センスの論理(新潮新書) の感想

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参照データ

タイトル経営センスの論理(新潮新書)
発売日2013-10-18
製作者楠木 建
販売元新潮社
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購入者の感想

テーマの設定は悪くないが、内容が練れておらず散漫である。
前作『ストーリーとしての経営戦略』が非常に優れた内容で、大いに感心したので、3年ぶりの著作ということで、大変期待して読んだのだが、その期待はもろくも外れてしまった。

いくら初出がWEB“雑誌”の連載だからとはいえ、前作であれほどの名著をなした楠木建である。丁度村上春樹の新作と重なって、こっちも「数年に1度、とんでもない名作を出す著者」だと勝手に思ってしまったのがいけなかった。

ちなみに前作は、ハードカバー500頁超、索引・注釈つき経営書としては異例のベストセラーになったばかりでなく、今もって書店の経営書コーナーでは平積みになっている。戦略的ポジショニング(SP)と組織能力(OC)という2つの、経営戦略業界では使い古されてきた概念を入念に再定義したうえで、この2つを競争優位に結びつけるツールとして「ストーリー」という新概念をインベントし、さらにこの「ストーリー」に強さ・太さ・長さという3つの軸を持ち込むことで優位性構築の蓋然性を高めるプロセスを解いた。
フレームワークの独創性と論理的緻密さが、適切な事例に裏付けされ、単にビジネス書としてではなく、経営学の真面目な研究書としても高い水準にある。

当然だが、前作は自己の研究成果を世に問うものであるから、どの部分もよく考え抜かれていて、何度も推敲した形跡が認められる。ところが、今度のこの作品は、一般向けの新書ということが著者にも編集者にも悪い方向に作用していて、書き散らしたエッセーの域を出ていないのは残念である。

新書であっても学術的な内容に深い論考を施した過去の名著たちと比べるのは酷なのかもしれないが、とにかく与太話に終始する。どこまで読んでもクリっとしない。経営学界の東野圭吾と宣伝された筆致は例によって達者だから、それなりに頁は進むのだが、内容に深みがまるでないし、独りよがりの展開が多く、自己受けしている。聞いているほうがちっとも笑っていないのに、本人だけが爆笑しながら喋っているという、痛い光景に近いものがある。

これを楠木建のブランドで出してはいけない。どうしても出したければ、Ken by

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