現代ロシア語文法―中・上級編 の感想

「現代ロシア語文法」での自己学習で満腹になっていささか消化不良の状態が、本書を手に取るベストのタイミングだと思います。

前巻で学んだ単数形と複数形、男性・中性・女性名詞の変化、格の体系的構造など文法の中・上級編に総ページの半分、残り半分は微妙な表現法の違いについて書かれてあります。

本書「中・上級編」に進んである程度の理解ができる人ならば、ちょっと戻りながらさらにディープなロシア語の世界を堪能できます。でも、かなりハードです。

自然なロシア語表現の修得のためには本書はベストですが、サブテキストとしてロシア語で書かれた文法書をロシアで入手のうえ勉強に役立てた方がいいです。

ロシア語文法を学ぶためには相当な数の「日本語の」文法用語を理解する必要があります。これがなかなか辛い作業です。ネイティブのロシア語話者はそんな文法名など中学校で教わるだけなので、ロシア語教師でもない限り知りません。

でも、日本語テキストから離れてロシア語の文法書を読むと、言語の直感的な理解が助けられることもあり、ちょっとほっとして、また頑張ろうという気にさせてくれます。

ロシア語の勉強は数学に似て、体系的な学習要領のどこを飛ばしても先で躓いてしまいます。何年かかっても、城田俊氏の厳格な講義に接するような気持ちで本書の学習に取り組んでいきたいと思います。