ニッポンの思想 (講談社現代新書) の感想

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タイトルニッポンの思想 (講談社現代新書)
発売日販売日未定
製作者佐々木敦
販売元講談社
JANコード9784062880091
カテゴリ人文・思想 » 哲学・思想 » 東洋思想 » 東洋哲学入門

購入者の感想

まずタイトルが『ニッポンの思想』となっていますが、いくつか注意する必要があります。
80年代以降の、いわゆる「現代思想」・ポストモダン思想が中心となっていること。
例えば経済思想や政治思想、人文系だったら、荻生徂徠とか和辻哲郎とか小林秀雄とか80年代以前の人はまったく登場しません。80年代以降でも、内田樹氏とか吉本隆明氏はスルーされています。

また、筆者がまえがきやあとがきで述べているように「要所要所で個人的な記憶や実感が援用されて」いたり、「あくまでも僕が読んだ思想の歴史」という性格があり、多分に筆者の主観が入り込んでいて、客観的で学問的な本ではないこと(とはいえ完全に恣意的ではなくそれなりに文献も使っている)。
例えば「二〇〇九年一月二十八日、東京工業大学における思想地図第三回シンポジウムで、ついに浅田彰と再会」(325p)とありますが二〇〇八年の夏に熊野大学のセミナーで東氏と浅田氏はすでに再会しています(これはつまらないツッコミですが一例として)。

以上のことに留意しつつ、そういう対象を扱った、一般向けの読み物として読めば、なかなかいい本と思います。ただこの入門書で終わって、ブログとかで専門用語使ってクダを巻いていい気になっているような、イタい人で終わるのもナンなので、日本の思想や「現代思想」をさらに勉強したい人には、以下の本をおすすめします。

丸山真男日本の思想 (岩波新書)
仲正昌樹集中講義!日本の現代思想―ポストモダンとは何だったのか (NHKブックス)

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