ヒトの進化 七00万年史 (ちくま新書) の感想

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参照データ

タイトルヒトの進化 七00万年史 (ちくま新書)
発売日販売日未定
製作者河合 信和
販売元筑摩書房
JANコード9784480065841
カテゴリジャンル別 » 科学・テクノロジー » 生物・バイオテクノロジー » サル・人類学

購入者の感想

そもそもホミニン(ヒト族)は二足歩行をするものだ、というところから始まり、ホミニンには700万年前のサヘラントロプス(これについてはあまり記述がない)から始まり、本書の詳しく書かれているのを挙げればアルディピテクス属、アウストラロピテクス族、ホモ属などが含まれているそうです。そしてその中で、ホモ属は石器を使って動物死体の骨から肉を削り、あるいは骨を割って骨髄を食べるようになった種類で、そのグループにはホモ・ハビリス、ホモ・ルドルフェンシス、ホモ・エレクトス、ホモ・ハイデルベルゲンシス、ホモ・ネアンデルターレンシス、ホモ・フロレシエンシス、ホモ・サピエンス(これは現生人類になります。)があることがこれまでわかっています。これらのものは時代とともに逐次進化して交代してきたのではなく、同時期に並行して生存し、さらには生存場所も重なっている例もあるのだそうです。
こんなところまでわかってきたのだ、と感心するとともに、ごくまれに運よくみつかる、頭がい骨のかけら、歯のかけら、指のかけらの化石をみて、それが古代人類のものと判定し、必要に応じて徹底的に回りの土や砂を篩にかけて、その周囲から数千のかけらを回収しから骨格のかなりの部分を組み立てるなど、古人類学者の超人的努力と才能は感動ものです。
ただし、すでにこの分野の属の名称や生存年代、石器文化の年代と種類に詳しい人ならば容易に読めるのかも知れませんが、素人だと読み進んでいるうちに前の方を忘れて混乱してしまうところもあります。先頭にある人類系統樹、末尾の索引など活用して丁寧に根気よく読む必要があると思います。それをすれば努力に値する興味深い事象が見えてくることでしょう。

表題の通り最新の人類史に関する研究成果を盛り込んでいる。

人類の祖先というと、一般にせいぜいネアンデルタール人や北京原人ジャワ原人などといった断片的な知識しか持ち合わせていない。

ところが本書を読むと、実に多種多様な人類が共存していた時代が長かったことに驚きとともに、まるでどこかファンタジーの世界が想起されて、われわれの目の前に新たな光を当ててくれる。

特に、初期人類ラミダスの全身骨格。初期人類の幼体セラムの発見。完全なホモエレクトスであるトゥルカナボーイの完全な全身骨格の発見。そして出アフリカの物語。最後のネアンデルタール人がいたジブラルタルの洞窟。ネアンデルタール人とホモサピエンスの交雑の可能性。
そしてなにより、ホビット族のように小さなホモ・フロレシエンシスの大発見。シベリアの指の骨のDNAから抽出された新たな種類の人類。などなどわくわくさせるような話が後から後から出てくる。

加えて、このような夢のような世界を切り開いてくれた研究者の中に日本人研究者諏訪元氏がかかわっているという事実に少しばかりうれしくなった。

最新の人類の進化の研究に触れることのできる好著である。

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筑摩書房から発売された河合 信和のヒトの進化 七00万年史 (ちくま新書)(JAN:9784480065841)の感想と評価
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