夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫) の感想
参照データ
タイトル | 夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 森見 登美彦 |
販売元 | 角川グループパブリッシング |
JANコード | 9784043878024 |
カテゴリ | 本 » ジャンル別 » 文学・評論 » SF・ホラー・ファンタジー |
購入者の感想
惹きつけるタイトル。
工夫され尽くした構成。
漱石を思わせる滑稽味あふれる文体。
諧謔に満ちた文章。
洒落た会話。
でも、この小説の面白さを味わうのは、若い者に任せておけばよかった。
「しまった」私は年寄りなので、読書にあてる残り時間がそうは
多くないのである。目の15センチほど前には、居ない蚊も飛んでいる。
そういえば「太陽の塔」と言う同じ作者の本を読んで同じ思いをしたことも思い出した。
そのくらい、惚けているのである。
工夫され尽くした構成。
漱石を思わせる滑稽味あふれる文体。
諧謔に満ちた文章。
洒落た会話。
でも、この小説の面白さを味わうのは、若い者に任せておけばよかった。
「しまった」私は年寄りなので、読書にあてる残り時間がそうは
多くないのである。目の15センチほど前には、居ない蚊も飛んでいる。
そういえば「太陽の塔」と言う同じ作者の本を読んで同じ思いをしたことも思い出した。
そのくらい、惚けているのである。
変わった小説ですね。馴染めなかったとか入っていけなかったと書いている方が何人かいらっしゃいますが、大丈夫。そういう人は、たぶん正常です(笑)。
舞台は京都。古風で大げさな表現を散りばめた文体で、現実とも幻想ともつかない調子の物語がユーモラスに進行する。場面は大きく4つ。先斗町での不思議な宴会騒ぎ。下鴨納涼古本祭りと不気味な闇鍋。大学祭での奇妙な寸劇と騒動。京都を席捲する風邪とフィナーレ。
黒髪の後輩に心を惹かれ、悶々としながら深遠に外堀を埋める努力を続ける先輩。その先輩に、どこで遭っても、「奇遇ですねえ!」という女の子。個性的というより、奇妙と表現した方がふさわしい登場人物たち。不思議に満ちた雰囲気の中で、先輩と乙女の視点がテンポ良く切り替わる。
個人的には、事前の期待があまりに大きかっただけに、正直、そこまでではなかったかな、というのもある。しかし、ストーリーはよく練られているし、ユニークで、なかなか見事な作品である。どこかユーモラスで、読後感もさわやか。それから、表紙のイラストは、このお話にまさにぴったりである。
舞台は京都。古風で大げさな表現を散りばめた文体で、現実とも幻想ともつかない調子の物語がユーモラスに進行する。場面は大きく4つ。先斗町での不思議な宴会騒ぎ。下鴨納涼古本祭りと不気味な闇鍋。大学祭での奇妙な寸劇と騒動。京都を席捲する風邪とフィナーレ。
黒髪の後輩に心を惹かれ、悶々としながら深遠に外堀を埋める努力を続ける先輩。その先輩に、どこで遭っても、「奇遇ですねえ!」という女の子。個性的というより、奇妙と表現した方がふさわしい登場人物たち。不思議に満ちた雰囲気の中で、先輩と乙女の視点がテンポ良く切り替わる。
個人的には、事前の期待があまりに大きかっただけに、正直、そこまでではなかったかな、というのもある。しかし、ストーリーはよく練られているし、ユニークで、なかなか見事な作品である。どこかユーモラスで、読後感もさわやか。それから、表紙のイラストは、このお話にまさにぴったりである。
単行本は2006年11月リリース、文庫化は2008年12月25日。本作で山本周五郎賞、本屋大賞第2位(ちなみにこの年の第1位は佐藤多佳子の『一瞬の風になれ』)を受賞している。山本周五郎賞を獲る作品が本屋大賞で第2位なのが面白い。
読み出すともうすぐに『森見ワールド』に没入してしまう。巻末の羽海野チカ氏のイラストのように、イメージが跳梁跋扈して、転がり廻り渦を巻く。それはマジックリアリズムというより、京都という希有なポジションの上に、コトバとシーンを貼り付けていくステキなモノ、という感じだ。おともだちパンチ→偽電気ブラン→詭弁踊り→赤玉ポートワイン→二足歩行→ダルマ・・・と枚挙にいとまがない。もう、読んだ者しか分からない、お腹の底が暖かくなる迷宮である。
そして思うのはここには男子特有の『気持ち』というのが圧倒的に顕在化しているなぁ、ということ。きっと森見ワールドを完璧に『分かる』のは男子だけだと思うのだ。諸君、異論があるか!?あればことごとく却下だ!!
読み出すともうすぐに『森見ワールド』に没入してしまう。巻末の羽海野チカ氏のイラストのように、イメージが跳梁跋扈して、転がり廻り渦を巻く。それはマジックリアリズムというより、京都という希有なポジションの上に、コトバとシーンを貼り付けていくステキなモノ、という感じだ。おともだちパンチ→偽電気ブラン→詭弁踊り→赤玉ポートワイン→二足歩行→ダルマ・・・と枚挙にいとまがない。もう、読んだ者しか分からない、お腹の底が暖かくなる迷宮である。
そして思うのはここには男子特有の『気持ち』というのが圧倒的に顕在化しているなぁ、ということ。きっと森見ワールドを完璧に『分かる』のは男子だけだと思うのだ。諸君、異論があるか!?あればことごとく却下だ!!